09:00 〜 09:15
[AOS20-01] 全球海洋観測システムのこれまでとこれから
★招待講演
キーワード:全球海洋観測システム、必須気候変数、必須海洋変数、観測ネットワーク、海洋観測枠組
全球海洋観測システムを,頭文字を大文字にしてGlobal Ocean Observing System(GOOS)と綴ると,ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)が主導する国際プログラムの名称になる。現在,GOOSは気候,オペレーショナル・サービス,海洋生態系の健全性という3つの重要なテーマに関わる全球海洋の観測の調整を担っている。GOOSは,1990年に開催された第二回世界気候会議の要請を受け,IOCによって1991年に立ち上げられ,その後の展開には研究者コミュニティが本質的な関与をしてきた。国際プログラムとしてのGOOSにとっても,多様な観測ネットワークから成るシステムとしての全球海洋観測システムにとっても,大きな節目となった2つの国際会議,OceanObs’99とOceanObs’09の成果と意義に焦点を当てつつ,GOOSのこれまでの歩みを紹介する。GOOSもその中に取り込み,観測実施者から観測データに基づく情報のエンドユーザーまでを一堂に集めて,OceanObs’09以降の海洋観測ネットワークの進展に関する情報を交換し,海洋情報への増大する社会のニーズに応える革新的な方策を立案することを目指したOceanObs’19の準備が本年9月の開催へ向けて進んでいる。これに関わる動きとその背景に触れ,研究者コミュニティが果すべき役割について考える。