日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-BG 地球生命科学・地圏生物圏相互作用

[B-BG02] 地球惑星科学と微生物生態学の接点

2019年5月28日(火) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:砂村 倫成(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、諸野 祐樹(海洋研究開発機構高知コア研究所)、濱村 奈津子(九州大学)

[BBG02-P04] 深海熱水プルーム中の微生物化学合成効率の推定

*砂村 倫成1 (1.東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)

キーワード:微生物生態、群集構造、熱水プルーム、深海

深海の熱水プルーム中では、硫黄酸化微生物に代表される、無機炭素から有機物を合成できる化学合成微生物が卓越し、表層光合成由来の有機物を超える有機物供給源とする試算もある。海底下からの熱水に含まれる化学成分の99%以上は深海海水中に放出され、熱水プルームを形成すること、また熱水と海水の混合により得られるエネルギーは25℃以下の低温域で最も効率がよいとされることから、熱水プルーム中での微生物生産量を見積もることは重要である。熱水プルーム中の微生物化学合成量の見積もりには、化学合成微生物の動態や機能を、熱水プルーム形成の物理化学過程とともに解析する必要がある。そこで、熱水プルームの形成過程と化学環境を解析し、それらと微生物の動態を組み合わせて微生物増殖過程における熱水エネルギー利用効率を推定した。熱水プルームの形成過程には、カルデラ等の地形、深層の海流の強さによるかき混ぜ効果、周辺海水の密度鉛直構造が関係する。微生物の組成は熱水の化学成分によって規定されるが、微生物の増加量もこれらの物理要因に影響をうけることが示唆された。