日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS04] 大気化学

2019年5月30日(木) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:中山 智喜(長崎大学 大学院水産・環境科学総合研究科)、岩本 洋子(広島大学 生物圏科学研究科)、豊田 栄(東京工業大学物質理工学院)、江口 菜穂(Kyushu University)

[AAS04-P12] 単一粒子光消散法を用いた複素屈折率測定装置での実験結果

*高砂 裕也1 (1.東京大学大学院 理学系研究科)

大気エアロゾルの種類、量の変化はアルベドを変化させ、放射収支や気候変動をもたらす。しかし現在のところその変動幅の予測精度は高くない。大気エアロゾルの種類を推定することのできる物理量として複素屈折率がある。既存の手法ではバルクごとの複素屈折率を測定する手法が主流であり、単一粒子ごとに測定する事案は少ない。粒子種ごとに複素屈折率の厳密な測定データが得られることにより粒子種別の気候変動幅の予測精度を向上させることが可能なため、複素屈折率の単一粒子ごとの測定は重要である。本研究では複素屈折率を測定する手法として単一粒子光消散法を用いた実験を行った。単一粒子光消散法とは、微粒子にレーザーを投射することにより発生する前方散乱光強度と、散乱光と入射光との干渉を測定し、それらから粒子の複素屈折率の値を推定する手法である。この手法を用いた実験装置を開発し、ポリスチレン、BC標準粒子と降水試料(沖縄、八方、福井)での実験を行った。現在は、実験から得られた前方散乱強度と入射光と散乱光の干渉データから粒子種と複素屈折率などの粒子特性を推定する逆問題を解く手法を思案中であり、機械学習のクラスタリングの手法を用いて複数種類の粒子が混ざった試料から粒子種別に分類する方法を開発中である。