[AAS05-P05] 固有位相速度を用いない波の擬運動量と3次元波活動度fluxの関係について
★招待講演
キーワード:波活動度フラックス、擬運動量
中層大気大循環は様々な波活動によって駆動されている。波活動と大循環の関係を診断するツールの1つとして、変形オイラー平均 (Transformed-Eulerian Mean: TEM)系がある。TEM系の残差流や波活動度fluxは3次元化が1980年代から行われ、最近の研究では成層圏突然昇温を引き起こすロスビー波活動の空間構造の解析に利用されるなどしている。TEM系の波活動度fluxの収束発散は擬運動量の時間変化に対応することが示されており (Eliassen-Palm relation)、3次元TEM系においても、同関係が成り立つことが証明されているが、ここで用いられている擬運動量は擾乱のエネルギーを固有位相速度で割ったものであり、データ解析には向いていない。そこで本研究では、Aiki et al. (2015)のDouble-Impulse 擬運動量を参考に、固有位相速度を用いない形の擬運動量を紹介するとともに、中層大気における擬運動量のラグランジュ変化と波活動度fluxの収束発散の関係について調べた結果を報告する。