[ACG36-P03] 3次元畳み込みニューラルネットワークを用いた気象時系列データにおける変化点の検知と注目範囲の可視化
キーワード:アメダス観測データ、3次元畳み込みニューラルネットワーク、変化点検知、可視化
気象観測データをもとに長期的な自然変動を把握する場合,人工的な変動要因を除外することが必要となる.本研究では,3次元畳み込みニューラルネットワーク(3D Convolutional Neural Network: 3D-CNN)を用いて,観測された気象データに微少なパターンとして表出する人工的な変動要素を検知する方式を提案する.提案方式では,教師信号付き訓練データを合成することで,教師あり学習を可能にする点に特徴がある.本研究では,アメダス(Automated Meteorological Data Acquisition System: AMeDAS)の観測データを対象とした実験を行った.近傍の2拠点で観測された気温変化パターンをある時点で切断し,以降の観測データを交換したデータを用意することで,仮想的な観測拠点の移動を含む訓練データを合成し,3D-CNNの学習を行った.これにより,数十km程度離れた観測拠点から合成した訓練データを用いた場合であっても,数km以下のごく短い距離の観測拠点の変更を検出できることを確認した.また,本研究では,Guided Gradient-Weighted Class Activation Mappingを利用して,変化点検知の際に注目された観測データの範囲を可視化できることを示した.