日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG39] 陸域生態系の物質循環

2019年5月28日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:加藤 知道(北海道大学農学研究院)、市井 和仁(千葉大学)、伊勢 武史(京都大学フィールド科学教育研究センター)、寺本 宗正(国立環境研究所)

[ACG39-P07] 陸域生態系モデルVISITによる太陽光励起クロロフィル蛍光(SIF)の全球計算および温室効果ガス観測衛星GOSATの観測したSIFとの比較

*宮内 達也1齊藤 誠1野田 響1吉田 幸生1押尾 晴樹1伊藤 昭彦1 (1.国立研究開発法人国立環境研究所)

キーワード:太陽光励起クロロフィル蛍光、陸域生態系モデル、GOSAT、総一次生産 、炭素循環

温室効果ガス観測衛星GOSATにより太陽光励起クロロフィル蛍光(Solar-induced chlorophyll fluorescence: SIF)が観測可能であることが報告されて以来、SIFと総一次生産(GPP)との強い相関関係に基づいたGPP推定や陸域生態系モデルの予測精度向上に関する研究が多く行われている。2018年には温室効果ガス観測衛星GOSAT-2の打ち上げが成功し、SIFのプロダクトも公開予定である。本研究では、SIFデータを用いて陸域生態系モデルVISITのGPP予測精度を向上させるために、まずVISITへSIF計算プロセスを実装した。SIFはVISIT内で計算される樹冠で吸収される光合成有効放射と電子伝達速度から光合成、熱放散、蛍光の生化学反応に基づいてエネルギー配分を計算して求めた。また、GOSATの観測したSIFと比較可能にするために、群落放射伝達モデルを用いて衛星の観測方向のSIFへの変換を行った。本発表では、実装したSIF計算のモデル内の変数と生化学プロセスの関係、観測方向のSIFへの変換のための放射伝達モデルの適用方法について詳しく述べ、VISITで計算したSIFとGOSATが観測したSIFの比較結果も示す。