[ACG41-P04] 航空機観測による気候・地球システム科学研究の推進研究計画書の改訂について
キーワード:航空機観測
気象学会は地球惑星科学の広い分野の研究者とともに、日本学術会議の大型研究計画に関するマスタープラン 2014 と2017において、地球観測専用の航空機を導入して気候・地球システム科学研究を推進するという提案を行ったが、 残念ながら重点計画には採用されなかった。マスタープラン2020においては、地球惑星科学分野の学会・研究者との連携を深めサイエンスを強化するとともに、日本航空宇宙学会との連携により地球観測への無人機利用などの工学分野との融合を進め、さらに防災・減災分野の学会との連携を進めた提案をすることとなった。本計画書は、このようにして立案された「航空機観測による気候・地球システム科学研究の推進研究計画」について広く周知し、重点課題への採択、予算化、そして観測・研究の実施により世界的な成果を実現するために、2015年に制定された計画書を改訂したものである。
地球温暖化を含む地球環境の変動が急速に進行し、人間の経済社会活動や水・食糧供給など生活の基盤に大きな影響を与えつつある。しかし環境変動に重要な役割を果たす温室効果気体や雲・エアロゾルの挙動の解明や台風・集中豪雨の予測研究などに必要な、航空機からの直接観測が世界的に不足している。特に日本には地球観測専用の航空機が存在しないため、個々の研究においては民間航空機をレンタルした観測により成果を得つつも、気候・地球システム科学研究に不可欠な体系的な航空機観測がアジアでは実施されてこなかった。
本研究の目的は、わが国初となる地球観測専用の航空機を導入し、気候・地球システム研究を飛躍的に推進することである。航空機観測は、従来の観測の精度を上げるのではなく、全く新しい観測量を得る手段である。航空機観測は、1 nmから100 mの(ミクロ)スケールの観測により、地球システム(マクロスケール)の振る舞いの理解を実現するパラダイムシフトを、地球科学にもたらすことが期待されている。本研究では航空機観測を軸として、大気、海洋、陸上植生、雪氷、そして固体地球の諸分野を横断する統合地球科学の枠組みの確立を目指す。これを実現するために、航空機を幅広い分野の研究者が長期的な視点から利用できる、共同利用・共同研究拠点制度に基づく研究者主体の運用体制を確立する。長期的な運用(10年間)により地球科学の重要な課題に対して計画的に観測・研究を実施することで、革新的な成果をあげるとともに人材育成を実現する。そして本研究で得られた科学的知見により、我が国や世界の国々への社会貢献、特にSDGsやフューチャーアースへの貢献を目指していきたい。
地球温暖化を含む地球環境の変動が急速に進行し、人間の経済社会活動や水・食糧供給など生活の基盤に大きな影響を与えつつある。しかし環境変動に重要な役割を果たす温室効果気体や雲・エアロゾルの挙動の解明や台風・集中豪雨の予測研究などに必要な、航空機からの直接観測が世界的に不足している。特に日本には地球観測専用の航空機が存在しないため、個々の研究においては民間航空機をレンタルした観測により成果を得つつも、気候・地球システム科学研究に不可欠な体系的な航空機観測がアジアでは実施されてこなかった。
本研究の目的は、わが国初となる地球観測専用の航空機を導入し、気候・地球システム研究を飛躍的に推進することである。航空機観測は、従来の観測の精度を上げるのではなく、全く新しい観測量を得る手段である。航空機観測は、1 nmから100 mの(ミクロ)スケールの観測により、地球システム(マクロスケール)の振る舞いの理解を実現するパラダイムシフトを、地球科学にもたらすことが期待されている。本研究では航空機観測を軸として、大気、海洋、陸上植生、雪氷、そして固体地球の諸分野を横断する統合地球科学の枠組みの確立を目指す。これを実現するために、航空機を幅広い分野の研究者が長期的な視点から利用できる、共同利用・共同研究拠点制度に基づく研究者主体の運用体制を確立する。長期的な運用(10年間)により地球科学の重要な課題に対して計画的に観測・研究を実施することで、革新的な成果をあげるとともに人材育成を実現する。そして本研究で得られた科学的知見により、我が国や世界の国々への社会貢献、特にSDGsやフューチャーアースへの貢献を目指していきたい。