[ACG45-P05] 三保半島沖のクロロフィルa濃度に影響する河川水の判別を試み
キーワード:海色リモートセンシング、駿河湾、AIS
これまでの海色リモートセンシングによる観測の結果から,駿河湾内において東部よりも西部のほうが相対的に高いクロロフィルa濃度を示す.一因として,駿河湾に流入する大きな河川は,駿河湾の東側よりも西側に多く存在する.三保半島は,駿河湾西部に位置し,北には,富士川や興津川の河口があり,南には安部川の河口が存在する.三保半島の沖合においても,高いクロロフィルa濃度が観測される.海色リモートセンシングによるクロロフィルa濃度画像から,どの河川の影響でクロロフィルa濃度が高くなっているか経験的に判別できる場合がある一方で,クロロフィルa濃度画像だけでは,判別が困難な場合が存在する.駿河湾では,駿河湾フェリーが清水港と土肥港を一日4往復している.これまでに,駿河湾フェリーのAIS(Automatic Identification System, 自動船舶識別装置)情報から針路の法線方向の流れを推定できる可能性が示唆されている.駿河湾フェリーの航路はおよそ東西方向であるため,南北方向の流れを得ることができる.本研究では,駿河湾のクロロフィルa濃度画像に,AIS情報から推定した流れの情報を加えることによって,三保半島沖のクロロフィルa濃度に影響する河川水の判別を試みた.