[AGE30-P01] 沖縄地方の将来的な気候変動を考慮した農地における土壌侵食の解析
キーワード:WEPPモデル、MarkSim、地球温暖化、赤土流出
沖縄県では土壌侵食(水食)による過度の赤土流出が問題となっており,農地における侵食量の予測手法の確立が求められている.既往研究では,プロセスベースモデルであるWEPP(Water Erosion Prediction Project)を用いた解析が試みられている.しかし,長期的な土壌侵食抑制対策の計画に必要となる,将来的な気候変動を考慮した土壌侵食リスクの評価手法に関しては,未だ検討されていない.そこで本研究では,気象シミュレーターMarkSimを用い,沖縄県名護市における将来的な気候変動を考慮した気象データの作成と,その適用を行った.
作成した気象データからは,地球温暖化による気温の上昇に伴い,降雨期の降水量の増加傾向がみられた.しかし,裸地条件下及びサトウキビ営農条件下のWEPP解析において,気候変動による侵食リスクの増大は確認できなかった.これは,気温や日射量の増大に伴い,雨水の浸入量が増加した為である.このことから,将来的な気候変動による降水量の増加は,必ずしも侵食量の増加に繋がらない可能性が示唆された.
作成した気象データからは,地球温暖化による気温の上昇に伴い,降雨期の降水量の増加傾向がみられた.しかし,裸地条件下及びサトウキビ営農条件下のWEPP解析において,気候変動による侵食リスクの増大は確認できなかった.これは,気温や日射量の増大に伴い,雨水の浸入量が増加した為である.このことから,将来的な気候変動による降水量の増加は,必ずしも侵食量の増加に繋がらない可能性が示唆された.