[AOS17-P02] 2km解像度データ同化モデルで再現された2017年黒潮大蛇行とその沿岸域への影響
2017年8月下旬に2年ぶりに黒潮大蛇行が発生した。この大蛇行の再現と大蛇行が沿岸域に及ぼす影響を調べるために、気象研究所で開発された2km解像度のデータ同化モデルを用いて同化予測実験を行った。モデル結果は、大蛇行の形成過程とそれに関連した沿岸水位や沿岸水温の変動を良好に再現していた。2017年9月には、四国の室戸岬東で急潮が発生したことが報告されている。モデル結果は、この急潮が黒潮上を伝わってきた、低気圧性偏差を伴う擾乱によって生じたことを示していた。また、10月末には、静岡から三重にかけての沿岸域に、黒潮系の暖水が入り込む暖水波及が再現された。この暖水は、大蛇行の東側の北上流から西に分岐下流れによってもたらされていた。発表時には、予報結果も交えてより詳しいプロセスに言及する予定である。