日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS20] 全球海洋観測システムによる研究成果と観測システム最適化

2019年5月28日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:細田 滋毅(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、増田 周平(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、藤井 陽介(気象庁気象研究所)、藤木 徹一(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)

[AOS20-P06] ウミガメデータを同化した季節予測実験~2017年のアラフラ海から豪州北部沿岸の予測~

*土井 威志1Andrea Storto2Takuya Fukuoka3Hiroyuki Suganuma4Katsufumi Sato3 (1.JAMSTEC、2.CMRE、3.東京大学、4.ELNA)

キーワード:季節予測、バイオロギング、アラフラ海

JAMSTECアプリケーションラボで運用しているSINTEX-F2-3DVAR季節予測システムの初期値作成スキームでは、ARGO、係留ブイ、船舶観測などから得られる海洋3次元の水温/塩分のプロファイルデータ(UK Met. EN4データ)を3DVARで同化している(Doi et al. 2017, JC)。海洋亜表層観測の持続的な展開の重要性は指摘されているものの、そのコストが高く、時空間的に必要充分な観測網の設計には多様な議論がされている。そのような状況下で、バイオロギング、すなわち海洋を3次元的に餌探索している魚類・ウミガメ類・海生哺乳類たちに小型の記録計を取り付けることで、海洋観測を行う手法が注目されている。バイオロギングとその利活用を向上させることを目指すCREST研究課題「サイバーオーシャン:次世代型海上ナビ機構」(研究代表者:佐藤克文)では、2017年6月に、インドネシアの西パプア州バードヘッド半島の海岸に産卵上陸するヒメウミガメ5頭に、人工衛星対応型電波発信器を搭載した。その後、ウミガメ5頭は島を迂回して南下し、アラフラ海に入り、そこで潜水を繰り返した。本研究では、ウミガメから送られてくる深度・水温プロファイルデータを季節予測モデル(SINTEX-F2-3DVAR)に初期値として取り込み、2017年8月以降の予測へのインパクトを調べた。