[AOS20-P06] ウミガメデータを同化した季節予測実験~2017年のアラフラ海から豪州北部沿岸の予測~
キーワード:季節予測、バイオロギング、アラフラ海
JAMSTECアプリケーションラボで運用しているSINTEX-F2-3DVAR季節予測システムの初期値作成スキームでは、ARGO、係留ブイ、船舶観測などから得られる海洋3次元の水温/塩分のプロファイルデータ(UK Met. EN4データ)を3DVARで同化している(Doi et al. 2017, JC)。海洋亜表層観測の持続的な展開の重要性は指摘されているものの、そのコストが高く、時空間的に必要充分な観測網の設計には多様な議論がされている。そのような状況下で、バイオロギング、すなわち海洋を3次元的に餌探索している魚類・ウミガメ類・海生哺乳類たちに小型の記録計を取り付けることで、海洋観測を行う手法が注目されている。バイオロギングとその利活用を向上させることを目指すCREST研究課題「サイバーオーシャン:次世代型海上ナビ機構」(研究代表者:佐藤克文)では、2017年6月に、インドネシアの西パプア州バードヘッド半島の海岸に産卵上陸するヒメウミガメ5頭に、人工衛星対応型電波発信器を搭載した。その後、ウミガメ5頭は島を迂回して南下し、アラフラ海に入り、そこで潜水を繰り返した。本研究では、ウミガメから送られてくる深度・水温プロファイルデータを季節予測モデル(SINTEX-F2-3DVAR)に初期値として取り込み、2017年8月以降の予測へのインパクトを調べた。