日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-03] 小・中・高等学校,大学の地球惑星科学教育

2019年5月26日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)

[G03-P06] 研究データの初等中等および高等教育への適用

*梅村 宜生1田中 良昌2,3阿部 修司4齊藤 泰雄3中野 慎也5新堀 淳樹1南山 泰之3 (1.名古屋大学 宇宙地球環境研究所、2.情報・システム研究機構 極域環境データサイエンスセンター、3.国立極地研究所、4.九州大学 国際宇宙天気科学・教育センター、5.統計数理研究所)

キーワード:Society5.0、初等中等教育、高等教育、人材育成、情報活用、データサイエンス

Society5.0の実現に向けて内閣府が推進する情報活用能力の育成および数理人材・データ関連人材の育成計画に則して、情報・システム研究機構は、機構が推進するデータサイエンス事業の一環として、2020年度に、大学および研究機関の研究データを、初等中等および高等教育(大学・大学院、高専教育、専修学校)に提供する活動を開始する。
その試行として、名古屋大学と九州大学を含めた先行プロジェクトは、試験用プラットフォームを構築して、まず、機構下の国立極地研究所が保有する極域の観測および採取データ(気候・環境、地質、宇宙、生物データ等)を対象に、
・データ管理:研究データを定常的に提供するためのオンライン管理
・データ情報整備:データ基本情報と、どのようなことが分かるか、どのような場面での利用が効果的か等の付帯情報の付与、可視化結果の付与
・データ陳列:実際のデータ提供(発見、識別、選択、入手)
・データ変換:一般的なソフトウェアでも取扱可能とするためのフォーマット変更
・データ融合:データ間の関連性の導出
を進めている。特にデータ変換は、バイナリ形式など研究の都合で採用されることの多いデータフォーマットを普遍的なアスキー形式に変換して取扱いを容易にする仕組みであり、データ情報と合わせて、科学への接触機会を増やすものである。データ融合は、データ駆動(Data-Driven)をキーワードに、関連性の高いデータを計算機がリストアップする仕組みであり、研究および教育の現場にて、科学の本質であるメカニズム解明のための数理的追求活動を訴求するものである。
2020年度の本展開では、取り扱うデータを全分野・全大学へ拡大して、上述のプラットフォームを公開するとともに、例えば、出前授業の開催、教材への適用、課外・課題活動への導入提案、人材育成プログラムの開講など、教育現場と連携して人的プロモーションを開始する。ニーズとシーズの連携、ハードとソフトの両インフラにより、包括的な知識高度化システムを起動し、循環させ、初等中等および高等教育課程における人材の情報処理能力および情報活用能力の向上を目指すとともに、科学本質およびそのプロセッシングに接触する機会を増やして、高度情報化社会を牽引するための高度知見を備えた人材の輩出を目指す。