[HDS13-P12] 海溝型巨大地震を対象とした津波浸水域データベースの構築
キーワード:津波浸水シミュレーション、南海トラフ、防災
海溝型巨大地震の危険が喫緊の問題となっている南海トラフ域においては、発生直後から浸水開始する地域もあり、事前に最大浸水深や浸水可能性の有無を把握することが防災上非常に重要である。そこで、鉄道構造物に対する津波防護の観点から、太平洋沿岸の特定都市を対象として多数のシナリオ地震を想定し、沿岸近傍での津波水位と津波浸水域のデータベース化を実施した。この結果を利用し、沿岸までの予測結果と比較して最大浸水域によるリスク評価や、避難猶予時間の検討に活用する。
南海トラフ域のシナリオ地震は、防災科学技術研究所(2012)及び津野(JPGU,2016)に倣い複数のセグメントの連動として組み合わせて、Mw8~9レベルの波源断層モデルを81個設定した。連動モデルでは平均すべりの2倍のすべり量を受け持つ大すべり域を内在するモデルを設定し、震源域内で深さ方向に2パターン、走向方向に3パターンの大すべり域の位置の違いを表現した。更に、内閣府(2012)が公開する最大クラスと同等のレベル(5~6連動)、且つ、海溝軸まで震源域が到達している場合、平均すべり量の4倍のすべり量の超大すべり域を設定した。
各地域において、海岸線の前面に大すべり域や超大すべり域が存在するときには沿岸波高が高くなる傾向にあるが、浸水域の広がりは大すべり域の傾斜方向の位置とも関連していることが示された。得られた多様な浸水域を定量的に検証しつつ、鉄道防災的な観点から津波被害の軽減にはどのような情報が重要であるかを議論したい。
本テーマは、国土交通省の鉄道技術開発費補助金を受けて実施しました。
南海トラフ域のシナリオ地震は、防災科学技術研究所(2012)及び津野(JPGU,2016)に倣い複数のセグメントの連動として組み合わせて、Mw8~9レベルの波源断層モデルを81個設定した。連動モデルでは平均すべりの2倍のすべり量を受け持つ大すべり域を内在するモデルを設定し、震源域内で深さ方向に2パターン、走向方向に3パターンの大すべり域の位置の違いを表現した。更に、内閣府(2012)が公開する最大クラスと同等のレベル(5~6連動)、且つ、海溝軸まで震源域が到達している場合、平均すべり量の4倍のすべり量の超大すべり域を設定した。
各地域において、海岸線の前面に大すべり域や超大すべり域が存在するときには沿岸波高が高くなる傾向にあるが、浸水域の広がりは大すべり域の傾斜方向の位置とも関連していることが示された。得られた多様な浸水域を定量的に検証しつつ、鉄道防災的な観点から津波被害の軽減にはどのような情報が重要であるかを議論したい。
本テーマは、国土交通省の鉄道技術開発費補助金を受けて実施しました。