[HGM04-P06] 電気比抵抗探査に基づくドリーネの土層分布の推定
―山口県秋吉台カルストの事例―
キーワード：カルスト地形、GIS、底部直径、傾斜、集水面積
山口県秋吉台カルストの10個ドリーネにおいて2次元電気比抵抗探査を実施し，ドリーネの土層厚分布を推定した．また，GISを用いた地形解析を行い，地形量と土層厚の関係について考察した．電気探査により，すべてのドリーネの地下に比抵抗値の急激な遷移層が存在することを確認した．本研究では過去の簡易貫入試験による土層厚の測定結果に基づき，比抵抗値280 Ω·m～400 Ω·mを土層から基盤岩の遷移層と判断し，地表から比抵抗値280 Ω·mの層までを土層，比抵抗値400 Ω·mの層よりも深い部分を基盤岩と判別した．分析の結果，ドリーネ斜面上部の土層厚（最大6.5 m）は斜面下部（最大9 m）よりも小さく，ドリーネの底部の土層厚（最大11 m以上）は，斜面の土層厚（最大9 m）より大きいことが明らかになった．また，ドリーネ底部の場合，集水面積が大きいドリーネでは平均土層厚も大きくなる傾向があった．集水面積はドリーネ底部の土層厚を決定する主な要因の1つであることが推定される．