日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-RE 応用地質学・資源エネルギー利用

[H-RE17] 再生可能エネルギー分野への活用に向けた地球科学データの可能性

2019年5月28日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:大竹 秀明(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター)、宇野 史睦(産業技術総合研究所)、島田 照久(弘前大学大学院理工学研究科)、野原 大輔(電力中央研究所)

[HRE17-P04] 襟裳岬周辺の洋上風況

*島田 照久1 (1.弘前大学大学院理工学研究科)

キーワード:洋上風況、衛星観測、気象モデル

洋上風力エネルギーは、豊富な賦存量と大規模開発が可能という点で、今後は再生可能エネルギーの中心的な存在になることが期待されている。北日本では、洋上風力エネルギー利用の検討と促進のため、詳細な風況観測、ゾーニング事業、洋上風車の設置検討が進んでいるところも多い。こうした取り組みを進める上で、風況マップのさらなる理解が求められている。

最新の洋上風況マップNeoWins(http://app10.infoc.nedo.go.jp/Nedo_Webgis/top.html)などによると、襟裳岬の周辺海域は、日本沿岸で最大の洋上風力エネルギー賦存量・導入ポテンシャルを持つことが示されている。日本沿岸において、海岸線から20 km程度離れた海域で、100 m高度の年平均風速が10 m/sを超えるのは、襟裳岬と石廊崎の周辺の海域だけである。

しかしながら、襟裳岬の周辺海域発生する強風については、ほとんど着目されることがなかった。つまり、日本沿岸で最大の風力エネルギーが、襟裳岬の周辺海域で生み出されるメカニズムについては、研究例がないのが実情である。一部の過去の研究は、衛星観測によって局地的強風が襟裳岬の付近の海上で発生している実例を示した(Shimada and Kawamura, 2004, 2007)が、風況マップの理解や風況に関する統計値への影響の把握には至っていない。本研究では、襟裳岬で発生する局地的強風の理解を目指し、洋上風況のさらなる理解につなげることを目指す。