日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT22] 浅部物理探査が目指す新しい展開

2019年5月28日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:尾西 恭亮(国立研究開発法人土木研究所)、青池 邦夫(応用地質株式会社)、井上 敬資(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)、横田 俊之(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

[HTT22-P05] DASを用いた表面波探査のための位相速度の周波数特性の取得

*尾西 恭亮1小林 貴幸1小河原 敬徳1稲崎 富士1 (1.国立研究開発法人土木研究所)

キーワード:光ファイバー、表面波探査

近年光ファイバーを用いた分布型音響センシング(distributed acoustic sensing:DAS)技術の開発が進んでいる。石油開発の試験坑井を用いた探査で試験探査の報告が頻繁に行われている。一方,浅部地盤用途では,DASは低価格な光ファイバーをセンサーとして長区間の記録が取得できるため,特にモニタリング用途に将来性が期待されている。堤防探査や浅部地盤調査等で弾性波を用いた物理探査を行う際に,現在主流な方法は表面波探査である。したがって,DAS技術を用いて浅部地盤探査を行う際に,表面波の記録を観測し,解析できることが重要となる。そこで,土研構内に埋設設置した光ファイバーを用いて,表面波の記録を取得した。ジオフォンに比べるとs/nは不良であるが,表面波の伝播が特定できる波形記録が得られた。CMP-CC解析により周波数ごとの位相速度を求めたところ,良好な分散特性イメージを得ることができた。最短波長で約6.5mの波の位相速度を特定することができた。ただし,一部の地点では位相速度の特定を行うことができておらず,原因解明と解析手法の改良を行っている。安定して分散曲線を取得できるようになれば,DASを用いることにより表面波探査が行えるようになり,普及開発へ向けた技術開発の促進が期待される。