[HTT24-P02] 先進光学衛星(ALOS-3)による浅海域底質識別の可能性
キーワード:先進光学衛星、広域・高分解能光学センサ、陸域観測技術衛星、底質指標、サンゴ礁
2011年に運用を終了したALOSの広域・高分解能光学ミッションの後継機として、2020年度の打ち上げに向けて先進光学衛星(ALOS-3)の開発が進められている。ALOS-3はALOSの直下観測幅70kmを継承しつつ、ALOS搭載センサであったPRISM及びAVNIR-2を発展させた広域・高分解能光学センサ(WISH)を搭載する。その地上空間分解能(直下)は、PRISMの2.5m、AVNIR-2の 10mに対し、0.8m(パンクロマチック)、3.2m(マルチバンド)であり、量子化ビット数もALOSでは8ビットであったのに対し、11ビットへ増加する。特にALOS-3のマルチバンド観測波長帯は、AVNIR-2の可視光3バンド(青、緑、赤)と近赤外バンドの4バンドであったのに対し、これら4バンドに加え、コスタルとレッドエッジの2バンドを加えた計6バンドとなる。ALOS-3ミッションの主な目的は、防災・減災、災害発生後の被害状況把握への貢献、高精度な地理空間情報の整備・更新に貢献であるが、多様な観測機能による沿岸域の環境監視や植生域の環境保全への利用・研究等への活用も期待されている。本研究では沿岸域環境保全の観点から、ALOS-3観測性能相当にシミュレーション化した衛星画像を使い、浅海域における底質の識別分類の可能性にについて報告する。研究の対象域は、沿岸浅海域で比較的水質が安定している石垣島をはじめとした沖縄県八重山諸島のサンゴ礁域とした。特に石垣島においては既往研究や調査により文献があることから、解析結果の比較検証サイトとして適している。使用した衛星画像は、ALOS-3の観測性能に近いDigtalGlobe社のWorldviewとした。
衛星リモートセンシングによる浅海域の底質識別では、水深(潮位)差による影響が問題とされ、その影響を軽減する手法の一つとして水深補正アルゴリズムが提案されている。このアルゴリズムは、同じ底質における2つの波長帯における画素値の対数値は水深に係らず傾きが一定となる基本原理(Lyzenga、1978)に基づき、水深の情報を除去した底質の指標を算出するものである。
ALOS-3センサの特徴であるCoAstAlとRedEdgeを使った解析結果についても報告する。環境省のAVNIR-2画像とALOS-3シミュレーション画像のそれぞれに対して行った結果は、ALOS-3の地上空間分解能3.2mにより、砂地部分とサンゴ、海藻等の生物群集との区別がこれまでのAVNIR-2(10m)より、より詳細に識別できることを示した。沿岸環境監視ツールとしてALOS-3データの活用が期待される。
衛星リモートセンシングによる浅海域の底質識別では、水深(潮位)差による影響が問題とされ、その影響を軽減する手法の一つとして水深補正アルゴリズムが提案されている。このアルゴリズムは、同じ底質における2つの波長帯における画素値の対数値は水深に係らず傾きが一定となる基本原理(Lyzenga、1978)に基づき、水深の情報を除去した底質の指標を算出するものである。
ALOS-3センサの特徴であるCoAstAlとRedEdgeを使った解析結果についても報告する。環境省のAVNIR-2画像とALOS-3シミュレーション画像のそれぞれに対して行った結果は、ALOS-3の地上空間分解能3.2mにより、砂地部分とサンゴ、海藻等の生物群集との区別がこれまでのAVNIR-2(10m)より、より詳細に識別できることを示した。沿岸環境監視ツールとしてALOS-3データの活用が期待される。