[MGI35-P03] 高速回転する球殻内の非弾性熱対流により引き起こされる表面帯状流
キーワード:木星型惑星、非弾性系
木星型惑星(木星・土星)表層大気の力学的な特色である縞状パターンはこれまでに多くの大気科学研究者の関心を引いてきたが、現在のところ、これらの特徴を矛盾なく整合的に説明できる満足な力学的描像と理解は得られてはいない。本研究は、スーパーコンピュータを用いて、全球規模から微細規模対流までにわたる空間スケールを統一的にあつかう大規模数値計算を実行し、従来の数値モデルでは表現できなかった微細規模の対流や乱流の構造を解像し、木星型惑星大気に見られる表面流の大規模構造の力学的成因を解明することを目指している。
この目的のために、今回われわれは深さ方向の密度成層を考慮した回転球殻非弾性系熱対流モデルを構築し、その大規模並列化を行った。スペクトル変換ライブラリを緯度方向に加えて動径方向にもMPI並列を可能にすべく改良した。その結果、これまで緯度方向格子点数によって制限されていた並列処理の限界を伸ばすことに成功し、より大規模な並列計算が可能となった。
このように構築した回転球殻非弾性系熱対流モデルを用いて先行研究の一つである Gastine et al.(2014) の Case2 を追試し、さらに元論文よりも長時間の時間積分を実行した。その結果、時間積分が粘性拡散時間程度に短い場合には元論文と整合的な表面帯状流分布が得られたが、より長く積分すると高緯度の順行帯上流が発達し目立ってくる結果が得られた。 このことは、先行研究で得られている帯状流分布が統計的平衡状態でないことを示唆している。
この目的のために、今回われわれは深さ方向の密度成層を考慮した回転球殻非弾性系熱対流モデルを構築し、その大規模並列化を行った。スペクトル変換ライブラリを緯度方向に加えて動径方向にもMPI並列を可能にすべく改良した。その結果、これまで緯度方向格子点数によって制限されていた並列処理の限界を伸ばすことに成功し、より大規模な並列計算が可能となった。
このように構築した回転球殻非弾性系熱対流モデルを用いて先行研究の一つである Gastine et al.(2014) の Case2 を追試し、さらに元論文よりも長時間の時間積分を実行した。その結果、時間積分が粘性拡散時間程度に短い場合には元論文と整合的な表面帯状流分布が得られたが、より長く積分すると高緯度の順行帯上流が発達し目立ってくる結果が得られた。 このことは、先行研究で得られている帯状流分布が統計的平衡状態でないことを示唆している。