日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI35] 計算科学による惑星形成・進化・環境変動研究の新展開

2019年5月28日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:林 祥介(神戸大学・大学院理学研究科 惑星学専攻/惑星科学研究センター(CPS))、小河 正基(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻)、井田 茂(東京工業大学地球生命研究所)、草野 完也(名古屋大学宇宙地球環境研究所)

[MGI35-P04] 原始惑星系円盤の降着が駆動する原始星フレア

*高棹 真介1富田 賢吾2岩﨑 一成2鈴木 建3 (1.名古屋大学、2.大阪大学、3.東京大学)

キーワード:原始惑星系円盤、フレア

X線観測から原始星は激しい爆発を頻発していることが知られており、惑星形成のビルディングブロックとなるコンドリュールの形成などに重要だという議論がある。その爆発現象は原始星フレアと呼ばれており、X線の光度曲線の振る舞いなどは太陽フレアと似ていることから太陽フレアと同様に磁気エネルギーを解放する爆発現象だと考えられている。しかしそのエネルギーは太陽フレアの100-100,000倍にも及び、この莫大なエネルギーから推測されるフレアのサイズは星半径を超える可能性がある。したがって、太陽フレアとは異なる機構でエネルギー蓄積が起きていると考えられる。しかしそのエネルギー蓄積機構やフレアの発生過程は未だ謎に包まれている。我々は原始星と降着円盤が相互作用する状況を3次元磁気流体シミュレーションで考察し、原始星フレアの発生機構を調べた。その結果、観測される原始星フレアのエネルギーと整合的な爆発を再現することに成功した。解析の結果、円盤降着が磁束を原始星に集める働きがありそれがフレアのエネルギー蓄積になることを発見した。本講演ではシミュレーション結果をもとに原始星フレアの発生機構について議論する。