日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI37] 情報地球惑星科学と大量データ処理

2019年5月26日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:村田 健史(情報通信研究機構)、本田 理恵(高知大学自然科学系理工学部門)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質情報研究部門 情報地質研究グループ)、堀之内 武(北海道大学地球環境科学研究院)

[MGI37-P02] 金星探査機あかつきのデータ検索閲覧システムの開発

*杉山 耕一朗1村社 光誠1大森 一輝1,3青木 拓海1,4村上 真也2 (1.松江工業高等専門学校、2.JAXA 宇宙科学研究所、3.NTTデータMHIシステムズ、4.マツダE&T)

キーワード:金星探査機あかつき、Web システム、ビッグデータ

金星探査機「あかつき」は異なる波長の狭帯域フィルタを備えた 5 台のカメラを使用して異なる高度の雲を観測している. あかつきの撮影した画像は一定期間が経過した後に NASA の PDS (Planetary Data System) [1] やISAS/JAXA の DARTS (Data ARchives and Transmission System) [2] 内のAKATSUKI Science Data Archive [3] において公開されている. しかしながら, データが機器ごとに異なるディレクトリに存在するため, 多波長で協調的に観測して得られたデータについて, 全体的な描像を得にくいという問題がある.

そこで我々は, Akatsuki Data Search [4] と名付けた新たな Web システムを Ruby on Rails を用いて開発した. そのシステムは上記サイトで公開されている全てのデータの簡易な検索・表示・ダウンロードを可能としている. Akatsuki プロジェクトの目的である 3 次元的な運動の時間変化の把握のために, データファイルのヘッダに記述されている観測プログラム名とその実行時間を利用して画像一覧ページを生成する機能を実装した. この機能により, 同時に撮影された異なる高度の雲画像の比較や, 同じ高度で雲分布の時間変化の把握が可能となった. さらに, データのヘッダに書かれていない情報 (例えば, とある論文に使った画像など) で検索したいという要望に応えるために, 「お気に入り機能」を実装した. この機能を用いることで, 気に入った画像やそれを得るために使った検索条件を保存し, それをユーザ同士で共有することが可能となった.

本発表では "Akatsuki Data Search" の詳細な説明とデモンストレーションを行う.



参考文献

[1] The Planetary Data System (PDS), https://pds.nasa.gov

[2] Data ARchives and Transmission System (DARTS), https://www.darts.isas.jaxa.jp/

[3] AKATSUKI Science Data Archive, https://www.darts.isas.jaxa.jp/planet/project/akatsuki/

[4] Akatsuki Data Search, https://vco.epi.it.matsue-ct.jp/