日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS14] 南大洋・南極氷床が駆動する全球気候変動

2019年5月27日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:関 宰(北海道大学低温科学研究所)、岡 顕(東京大学大気海洋研究所)、植村 立(琉球大学 理学部)、真壁 竜介(国立極地研究所)

[MIS14-P10] 南大洋の表層水温から推測される鮮新世の温暖期のCO2濃度

*関 宰1下野 智大2 (1.北海道大学低温科学研究所、2.北海道大学大学院環境科学院)

キーワード:気候感度、鮮新世、二酸化炭素濃度

気候モデルによる将来の気温の変化量の予測は「気候感度」という値により決まる.ここで気候感度とは大気中CO2濃度が2倍になった時の地表面温度の変化量である.そのため,気候感度の制約は将来の気温予測における核心部分であり,IPCCにおいても最大の焦点となっている.しかし,将来予測に適した気候感度制約のための多大な努力がなされてきたにも関わらず,CO2倍増時の気候感度は2.0~4.5℃の範囲としか制約されておらず,不確実性が大きい.さらに,古気候データ解析から,気候感度は気候状態に依存することが明らかとなった.このことにより将来予測においては現在よりも温暖な気候状態における気候感度を知る必要性が生じ,過去の温暖期の研究に注目が集まっている.本研究では,現在より平均気温が2-3℃ほど高く,現在と境界条件が類似しているため将来気候の類型とされる鮮新世温暖期(300-450万年前)に着目し,経験的手法を用いて当時のCO2濃度の高精度復元を行い,温暖な気候状態における気候感度を推定する.