日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS19] 古気候・古海洋変動

2019年5月30日(木) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:岡崎 裕典(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、岡 顕(東京大学大気海洋研究所)、加 三千宣(愛媛大学沿岸環境科学研究センター)、長谷川 精(高知大学理工学部)

[MIS19-P10] 人工知能を活用した微化石の自動分類・ピッキング装置

*板木 拓也1平 陽介2鍬守 直樹2前林 利典3竹島 哲4戸谷 健二4 (1.産業技術総合研究所、2.日本電気(株)、3.(株)マイクロサポート、4.三谷商事(株))

キーワード:微化石、人工知能、自動分類

微化石の骨格に含まれる微量元素や同位体比を測定する際,分析に必要な量を同一種のみで拾い出すのには大きな労力と時間を要する.特に放散虫のような小型の微化石を種毎に分析することは現実的ではなく,これまでに報告例の無い未知の領域であったと言える.しかし,近年,人工知能の学習手法のひとつであるディープラーニングの進歩に伴い機械による微化石種の同定精度が飛躍的に向上した.また,マイクロマニピュレーターで微小粒子を自動的に拾い出すシステムが実用化された.これらの技術を融合すれば,任意の微化石種を大量に集積することが可能なはずである.そこで本研究では,マイクロマニピュレーターを備えた電動X-Yステージ付き顕微鏡にディープラーニングを実装し,微化石の同定および拾い出しを自動化した.ディープラーニングの分類モデルには大量の教師画像を必要とするが,本システムで自動的に取得される個別粒子の切り出し画像は教師データ構築の効率化にも有効である.また,微化石に限らず鉱物などの様々な微小粒子にも応用することが出来,今後の発展が期待される.