[MIS20-P08] 飛騨山脈,立山カルデラの重力断層の過去55年間の活動状況
キーワード:重力断層、深層崩壊、立山カルデラ
日本を代表する巨大崩壊地である立山カルデラの北東縁に位置する室堂山(2668m)周辺には,深層崩壊の予兆現象と考えられる長さ300~500 mの重力断層が複数みられる.この重力断層は,藤井(1997)がカルデラの現成の崩壊地形を代表するものと記載していることや,断層を横切る登山道が年々カルデラ側へ移動していることから,今でも動いている可能性があるが,調査は行われていない.重力断層が大きく動いて深層崩壊が発生した場合,立山カルデラ内を流れる湯川上流部で河道閉塞が起こり,過去に発生したような決壊洪水による災害を富山平野にもたらす可能性がある.本研究では,重力断層周辺でGPS観測点を多数設置して断層の動きの精密な測量を行い,現在,安定しているのか動いているのかを確認した.また,1963、1977、1978、1985、1994、2000、2009,2018年の空中写真判読から過去55年間の重力断層の長さと幅の変化を明らかにした.