日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS20] 山の科学

2019年5月27日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:鈴木 啓助(信州大学理学部)、苅谷 愛彦(専修大学文学部環境地理学科)、佐々木 明彦(国士舘大学文学部史学地理学科 地理・環境コース)、奈良間 千之(新潟大学理学部理学科)

[MIS20-P18] 空撮画像を用いたケニア山における最近の氷河変動

*奈良間 千之1有江 賢志朗2水野 一晴3 (1.新潟大学理学部フィールド科学人材育成プログラム、2.新潟大学大学院自然科学研究科、3.京都大学大学院文学研究科)

キーワード:氷河変動、質量収支、空撮画像、ケニア山

アフリカの山腹氷河は,東アフリカのキリマンジャロ,ケニア山,ルウェンゾリ山に存在し,近年の温暖化の影響でこれら氷河は数十年後には消滅するであろうと予想されている.ケニア山の氷河は,1899年~2004年に18コのうち8コが消滅しており(Hastenrath, 2005),2018年の氷河台帳では氷河の数は9コとされている(Prinz et al., 2018).ケニア山の氷河研究はルイス氷河を中心におこなわれており,この氷河は,19世紀後半と1934年に地図化され,1979年~1996年と2010年~2014年に質量収支の観測がおこなわれている.ルイス氷河の体積は,1934年~2010年の76年間で90%減少している.面積変化は各氷河で求められているが,体積変化の報告はルイス氷河に限定されている.本研究では,ケニア山の全ての氷河を対象に,2016年のPleiadesと,2017年と2018年にセスナから空撮したデジタル画像から3D地形モデルを作成し,これら地形モデルを比較することで最近の氷河の質量収支を求めた.