日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS22] 地震・火山等の地殻活動に伴う地圏・大気圏・電離圏電磁現象

2019年5月29日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:児玉 哲哉(宇宙航空研究開発機構研究開発部門第一研究ユニット)、長尾 年恭(東海大学海洋研究所)

[MIS22-P03] 短期・直前地震発生予測を目指したVLF帯パルス電磁波の観測

*長尾 年恭1井筒 潤2鴨川 仁3織原 義明1杉浦 繁貴4近藤 斎4 (1.東海大学海洋研究所、2.中部大学中部高等学術研究所 国際GISセンター、3.東京学芸大学物理学分野、4.(株)コンポン研究所)

キーワード:短期予測、地震予知、VLF帯

地震発生の数日前より、電磁放射によるノイズかが増加することが 1980 年代になり報告されるようになってきた。尾池和夫によれば、これらは地震発生の数日前からノイズの増加が始まり、地震発生の後に次第に終了するという特徴があると述べていた。しかしながら当時の観測では、VLF帯のノイズの増加が、単に空電を観測しているだけで、地震活動との相関は擬似的なものであるとの意見も根強かった。

 東海大学では、VLF帯の観測装置を1994年ごろから開発し、水平磁場2成分波形を測定し、見かけ到来方位を決定できるシステムを構築した。観測はその後、立案者の死去や、観測担当教官の異動などもあり中断する事となったが、本手法は検証すべきであると、国の予知研究を統括している、「地震予知・火山噴火予知研究協議会」で認められ、2014年度から新たな研究が開始された。浅田らは直線偏波の電磁波のみを解析していたため、ゴニオメーター法で、波源の推定を行っていたが、今回の計測装置は時計の精度が極めて高く、かつ100MHzサンプリングが可能なため、電磁波の到達時間差を用いた波源決定法を採用した。今回の発表では、現時点で観測ネットワーク内で発生した最大の内陸地震である2017年6 月23日の長野県の地震(M5.6)についての解析結果を主に報告する。予察的な結果として、地震発生2日前の6月23日に震央付近から到来する電磁波を観測する事ができた。


本研究は文部科学省による「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」、東海大学海洋研究所・2018年度コア研究プロジェクトおよび(株)コンポン研究所の支援を受けて実施されました。