日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT49] インフラサウンド及び関連波動が繋ぐ多圏融合地球物理学の新描像

2019年5月30日(木) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:山本 真行(高知工科大学 システム工学群)、市原 美恵(東京大学地震研究所)、新井 伸夫(名古屋大学減災連携研究センター)

[MTT49-P04] 極域における超低周波音とオーロラ活動との関係性の事例調査

*大畑 遥1山本 真行1 (1.高知県公立大学法人高知工科大学)

キーワード:オーロラ、インフラサウンド、極域

南極の昭和基地とその周辺に設置されたインフラサウンドセンサならびに昭和基地に設置された全天カメラから得られたデータから,オーロラ活動とインフラサウンドの比較解析を行った.

 超高層大気中でオーロラから音が発生した場合,様々な周波数領域の中で減衰しにくい超低周波音(インフラサウンド)が地上まで到達する可能性が高いと考えられる.よってオーロラ帯に位置している昭和基地(69°0' 22" S,39°35' 24" E)および周辺地域に設置してあるインフラサウンドセンサを用いることで,オーロラから発生するインフラサウンドを観測できる可能性がある.本研究では,オーロラから発生しているインフラサウンドの特定を目的に,昭和基地で観測されるインフラサウンドと上空のオーロラ活動との関係性について,事例調査を行った.

 大規模なオーロラ活動が観測されかつ風速が5 m/s以下の条件を満たす計3例のデータを抽出し,そのうち周波数0.1 Hz以下が観測可能なインフラサウンドセンサのデータを使用した.結果として上記の条件を満たす,2016年6月10日~11日について昭和基地の可視光全天カメラデータとスカーレンのインフラサウンドセンサのデータの比較解析を行った.比較解析にあたり,全天カメラ画像については画像の変化率を導出するプログラムを作成・使用し,インフラサウンドデータは特定の周波数について検証を行うため,winデータをcsv形式に変換し,幾つかのバンドパスフィルタを適用した.

 2016年6月10日~11日にかけてインフラサウンドセンサから得られたデータから,0:02付近に特徴的なインフラサウンドの波形を確認することが出来た.また,全天カメラでは6月10日23:50頃に静的なオーロラから動的なオーロラに変化している.オーロラが発生している高度100 kmから地上にインフラサウンドが到達するまではおよそ5分であり[1],また文献によりオーロラから発生していると指摘されているインフラサウンドの波長は0.01~0.1Hzである[2].観測データがある2016年6月10日に発生したオーロラ爆発(ブレイク・アップ)時に,インフラサウンドの大きな振幅変化が0.02 Hz付近で見られたことから,このインフラサウンドがオーロラから発生した可能性がある.本発表では,オーロラが静的な状態から動的な状態に変化したときに周波数0.01 Hz~0.03 Hzの帯域でオーロラからインフラサウンドが発生した可能性について議論を行う.

参考文献
[1] CHARLES R. WILSON,Auroral Infrasonic Waves,journal of geophysical research,space physics,74,pp. 1812-1836,1969.
[2] CHARLES R. WILSON,Infrasonic wave generation by aurora,Journal of Atmospheric and Terrestrial Physics,37,pp. 973 – 988,1975.