日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT49] インフラサウンド及び関連波動が繋ぐ多圏融合地球物理学の新描像

2019年5月30日(木) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:山本 真行(高知工科大学 システム工学群)、市原 美恵(東京大学地震研究所)、新井 伸夫(名古屋大学減災連携研究センター)

[MTT49-P05] 複数種類インフラサウンドセンサを用いた同時観測のためのデータ運用基盤の開発

*井上 祐一郎1山本 真行1 (1.高知県公立大学法人高知工科大学)

キーワード:インフラサウンド、データ運用

周波数20 Hz以下の低周波域の微気圧波であるインフラサウンドは,空気中を伝搬する際の減衰を受けにくく長距離伝搬しやすい特性がある.高知工科大学宇宙地球探査システム研究室は企業との共同開発により低コストかつ高性能なインフラサウンドセンサの製品化に成功した.

 センサ間の保存形式の違いを埋めるインフラサウンド専用の新データ形式の提案,既存のデータ形式から新データ形式への変換ソフトウェアの開発,2種類のインフラサウンドセンサの準リアルタイム同時グラフ描画を行うWebサイトの作成を目的とし,それぞれの開発を行った.

 提案する形式名は「infs」とし,ヘッダブロックに解析には必要となる情報を256 byteで保存,以降の連続する21 byteのデータブロックに観測データを順次保存する.筆者らは既存のデータ形式であるWIN形式からinfs形式に変換するソフトウェアをGo言語で開発した.

 作成したWebサイトは遠隔地2カ所に設置した2種類のインフラサウンドセンサから送信される観測データを研究室サーバに保存,保存したデータをWebブラウザで表示可能な出力形式に変換し,クライアントのWebブラウザでグラフ描画するものである.

 提案する新データ形式については今後研究室内での利用が決まっている.また,プログラム情報交換用サイトGitHub上にinfsに関するリポジトリ作成を行い研究室外での利用も視野に入れている.Webサイトを作成するにあたり開発したサーバサイドプログラムではこれまで約14分毎に収集していた観測データを約13秒毎で収集管理を行うほか,収集した観測データから5段階の簡易アラートレベルを決定する機能を搭載した.

 本研究ではインフラサウンドのための新データ形式の提案,WIN形式からの変換ソフトウェアの開発,ならびにインフラサウンドの準リアルタイムグラフ描画Webページの作成を行い,動作を確認した.