日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-CG 宇宙惑星科学複合領域・一般

[P-CG25] 惑星大気圏・電磁圏

2019年5月28日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:関 華奈子(東京大学大学院理学系研究科)、今村 剛(東京大学大学院 新領域創成科学研究科)、前澤 裕之(大阪府立大学大学院理学系研究科物理科学科)、寺田 直樹(東北大学大学院理学研究科)

[PCG25-P01] 弱磁場天体小型磁気圏の昼間側マグネトポーズに関する全粒子シミュレーション

*臼井 英之1沖 知起1三宅 洋平1寺田 直樹2関 華奈子3加藤 雄人2八木 学4 (1.神戸大学大学院 システム情報学研究科、2.東北大学大学院 理学研究科、3.東京大学大学院 理学系研究科、4.理化学研究所 計算科学研究センター)

キーワード:小天体、プラズマ粒子シミュレーション、小型磁気圏

本研究の目的は、弱い固有磁場を持つ小型天体と太陽風との相互作用によって形成される小型磁気圏を3次元電磁粒子シミュレーションにより再現し、その中でのプラズマダイナミクス、特に昼間側マグネトポーズでの電子挙動を粒子軌道や速度分布関数を用いて理解することである。磁気圏シミュレーションではMHDモデルがよく用いられるが本研究ではイオンの慣性長λi程度の磁場構造を持つ天体の磁気圏を対象とするためイオンのみならず電子も粒子として扱う全粒子モデルの大規模シミュレーションを実施した。シミュレーションモデルでは、弱い磁気ダイポールを持つ小型球体を中央に置き、境界領域から南向き IMFを持つ太陽風を流す。これにより小型磁気圏の形成を実現する。昼間側において、ダイポール中心から 磁気圧と太陽風動圧が釣り合う点までの距離をDpとした場合, 今回はλi/Dp=1と設定した。また, 天体半径を Rbとすると、 Rb/Dp=0.6とし磁気圏における球体の割合を比較的大きく取った。シミュレーションデータ解析により、これまで、赤道面におけるプラズマ空間分布のdawn-dusk非対称性について報告した。今回は、昼間側マグネトポーズの電子挙動に着目し、特に、南向き IMFと磁気圏磁場が相殺して磁場強度がほぼ0になる領域で見られた電子挙動について、粒子軌道や速度分布関数を用いて定量的な解析を行った。マグネトポーズにおいて、イオンと電子の電荷分離によって発生する太陽方向電場により加速された電子が、IMFと磁気圏磁場が相殺する領域に侵入しメアンダリング運動により朝方に流れていく様子が確認できた。この電子の流れに関連して電子密度の時間的変動も同時に見られた。これらの昼間側マグネトポースでの電子ダイナミクスについて議論を行う。