[P-EM11] Dynamics of Magnetosphere and Ionosphere

[PEM11-P23] 観測機器パッケージPARM-HEPによる脈動オーロラ現象に伴う高エネルギー降り込み電子の観測

*滑川 拓¹、三谷 烈史²、浅村 和史²、斎藤 義文² (1.東京大学・理学系研究科・地球惑星科学専攻、2.宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究所)

キーワード：マイクロバースト、PARM、RockSat-XN、LAMP、観測ロケット、脈動オーロラ

マイクロバーストと呼ばれる放射線帯電子が地球大気に振り込む現象は、放射線帯の高エネルギー電子の散逸に大きく関連していると考えられている。この現象は地球極域で観測される脈動オーロラと類似したメカニズムである、磁気圏電子のプラズマ波動におけるピッチ角散乱によって発生することが示唆されている。マイクロバーストと脈動オーロラの同時発生を証明することでマイクロバーストの起源を明らかにできる可能性があるが、未だ観測的な検証はなされていない。

我々は脈動オーロラと電子マイクロバースト降下の関係性を調べるため、高エネルギー電子観測器（HEP）を開発した。HEPは300keV~2MeVの高エネルギー電子一つをエネルギー分解能20 %以下、信号処理時間~5 µsで計測することができる。このエネルギー分析にはSSD（Solid State Detector）を使用している。これらの観測性能は、密封放射線源、または高エネルギー電子ビームラインを用いて実証したものである。本機器は国際学生観測ロケットRockSat-XNおよびLAMP（Loss through Auroral Microburst Pulsation）観測ロケット実験に、脈動オーロラ・マイクロバーストの同時観測を目的とする観測パッケージPARMの中心的機器として搭載される。RockSat-XNは2019年1月13日にノルウェー・アンドーヤより打ち上げられ、観測データを取得した。一方でLAMP観測実験は2019 年度冬季におけるアラスカ・ポーカーフラットからの打ち上げに向けて準備が進められている。本発表ではHEPの概要とRockSat-XNによる観測結果、さらにLAMP観測実験に向けた準備状況について述べる。