日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM16] 大気圏・電離圏

2019年5月30日(木) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:大塚 雄一(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、津川 卓也(情報通信研究機構)、川村 誠治(国立研究開発法人 情報通信研究機構)

[PEM16-P01] サブストームとオーロラブレイクアップ時のGPS位相シンチレーションの時空間変動

*Prikryl Paul1,2Weygand James3Ghoddousi-Fard Reza4Jayachandran P. Thayyil1Themens David1McCaffrey Anthony1Kunduri Bharat5Spanswick Emma6Zhang Yongliang7行松 彰8 (1.ニューブランズウィック大学物理学部、2.カナダ天然資源地磁気研究所、3.Earth Planetary and Space Sciences, University of California、4.Canadian Geodetic Survey, Natural Resources Canada、5.Bradley Dept. of Electrical and Computer Engineering, Virginia Tech、6.Dept. of Physics and Astronomy, University of Calgary、7.Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory、8.国立極地研究所)

キーワード:高緯度電離圏、GPS TECと位相シンチレーション、電離層電流

高エネルギー粒子の降込みによって生じる電離圏構造の変化はGPS観測に悪影響を及ぼし、位相シンチレーションおよびサイクルスリップ(ロックの喪失)を引き起こす可能性がある。GPS位相シンチレーションは、オーロラの強度と、特にオーロラの明るさの急激な変化と相関する [1,2,3]。夜側下向き領域1電流におけるサブストーム拡大期にみられる全電子量(TEC)の増大は、降下粒子フラックスの増加と関連しているように思われる[4]。このようなTECの増大は、サブストームとオーロラブレイクアップの直後に最も強い位相シンチレーションを発生させる。 位相シンチレーションは、カナダ高緯度北極電離圏観測網(CHAIN)からの特殊なGPSシンチレーション受信機によって50Hzのサンプリングレートで取得されたデータから求められる。プロキシシンチレーション指数は、1Hzサンプルの測地学的精度のGPS受信機の二重周波数測定から得られる。これには、カナダ測地調査所(CGS)によって広域に設置され、準実時間で監視されるRT-IGS観測網の受信機が含まれる。TECと位相シンチレーションの時空間変化について、球面基本電流系(SECS)法を用いて[5,6]、地上磁力計観測網から導出される等価電離圏電流との関連から研究し、位相シンチレーションとオーロラ発光の関係についても調べる。一般的に、GPS位相シンチレーションは、強い西向きの電流ジェットの領域内および東向きの電流ジェットの極側境界に沿って発生する。サブストームとオーロラブレイクアップに続いて、TECの増大に伴う強い位相シンチレーションは、主にHarang不連続領域乃至その近傍の、上向き領域2電流域、もしくは、下向き領域1電流の赤道側境界に投影される[7]。