日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM19] 太陽物理学の最前線

2019年5月26日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:今田 晋亮(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、横山 央明(東京大学大学院理学系研究科)、清水 敏文(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、勝川 行雄(自然科学研究機構国立天文台)

[PEM19-P06] 3Uキューブサットによる太陽中性子・ガンマ線観測

*山岡 和貴1田島 宏康1宮田 喜久子2稲守 孝哉2佐々井 義矩1中澤 知洋3増田 智1松下 幸司4伊藤 和也4高橋 弘充5渡邉 恭子6 (1.名古屋大学 宇宙地球環境研究所、2.名古屋大学 工学部、3.名古屋大学 理学部、4.名古屋大学 全学技術センター、5.広島大学 理学部、6.防衛大学校)

キーワード:太陽、中性子、ガンマ線、検出器、超小型衛星

太陽中性子の観測は太陽表面での粒子加速機構を理解する上で重要であるが、これまでの高地での地上観測では10m2の大きな面積の検出器にもかかわらず、地球大気での減衰のため、1980年の発見(Chuppら 1982)以来約10例の検出にとどまっている。一方で宇宙空間では100cm2という小さな面積でも国際宇宙ステーション上の実験SEDA-APが2009年以来約30例の太陽中性子イベントを検出することに成功した(Muraki et al. 2014)。残念なことにSEDA-APの運用は昨年3月で終了している状況である。太陽中性子専用の検出器が今宇宙空間にない状況を打開するため、我々は3U(サイズ 30x10x10cm)の太陽中性子・ガンマ線検出器を開発してきた。2016年2月には50kg級のChubuSat-2衛星に太陽中性子観測装置を搭載して打ち上げ、さらに2021年を目指して小型の3Uキューブサットへと応用しているところである。検出器は、多層のプラスチックシンチレータとGAGG(Ce)無機シンチレータアレイからなり、両方のシンチレータは光センサであるシリコンフォトマルで読み出される。600以上のセンサからの信号は集積回路(ASIC)で読み出される。本講演では、科学目的、検出器の詳細と要素試作モデル(BBM)の現状について述べる。