[PEM19-P08] 太陽対流層表層部における乱流パンピングの推定
キーワード:太陽、乱流、ダイナモ
本研究では、太陽ダイナモ過程の平均場モデルにおける乱流輸送係数を3次元輻射磁気対流計算により定量化した。太陽の大スケール磁場の時間発展をモデル化するため、多くの平均場ダイナモモデルが提案されてきた。このモデルにおける最大の不確定性の一つが、乱流拡散やアルファ効果、乱流パンピングに代表される磁場の乱流輸送係数である。これらの未知量を評価するため、数値的・観測的研究が行われてきたが、太陽表面付近における鉛直方向の輸送係数の評価はほぼなされてこなかった。これは太陽表面が対流層内部からの磁束の輸送を許容するか、というダイナモモデルの上部境界を特徴づけるパラメータである。そこで本研究では、現実的な太陽表面の対流運動を再現できる3次元輻射磁気流体シミュレーションを利用し、太陽対流層の最上部における鉛直乱流輸送係数を評価した。講演では、乱流係数の波長依存性や、太陽ダイナモモデルの適当な上部境界について報告する。