日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS01] Outer Solar System Exploration Today, and Tomorrow

2019年5月28日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:木村 淳(大阪大学)、笠羽 康正(東北大学 惑星プラズマ・大気研究センター)、Kunio M. Sayanagi(Hampton University)

[PPS01-P03] 木星磁気圏の磁場モデルについて

*桃木 尚哉1藤 浩明1 (1.京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻)

キーワード:木星、磁気圏

木星のガリレオ衛星のうちエウロパ、ガニメデ、カリストは氷衛星であり、その表面下に内部海が存在している可能性がある。氷はほぼ絶縁体と考えてよいが、イオンを含んだ液体の水は電気伝導度が高い為、電磁誘導現象を利用して内部海の有無が検証可能である。本研究では,その際に必要となる衛星にとっての外部磁場、つまり木星磁気圏磁場モデルを新たにデータを追加して更新した。

Khurana [1992]で示された木星のカレント・シート形状モデルに含まれるパラメータ3個と、Khurana [1997]で示された木星磁気圏磁場のオイラーポテンシャルモデルに含まれる14個のパラメータを、先行研究で既に用いられたPioneer10、Voyager1, 2探査機のデータではなく、Galileo、Juno[MOU1] 両探査機の新しいデータを用いて最適化した。モデルは非線形であるため,最適化手法として最急降下法を採用し、複数の初期パラメータからデータとモデルとの残差二乗和を最小にするパラメータセットを探索した。

結果としては、探査機の周回ごとに変動するモデルパラメータが得られ、パラメータから計算される木星磁気圏磁場や電流系も変化している事が分かった。これらのパラメータ変化は、木星磁気圏と太陽風との相互作用による変化も反映していると考えられ、氷ガリレオ衛星に対して更新した磁場モデルを適用する際には,その各パラメータを時間の関数として与えたほうが,各氷衛星が感じる外部磁場変化をより正確に表現できると考えられる。