日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG56] 海洋底地球科学

2019年5月27日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:沖野 郷子(東京大学大気海洋研究所)

[SCG56-P08] 南琉球及び中琉球の背弧海盆の形状の違いとテクトニクス

*荒井 晃作1三澤 文慶1井上 卓彦1 (1.産業技術総合研究所地質情報研究部門)

キーワード:琉球弧、背弧海盆、第四紀、反射法音波探査、マルチチャンネル

琉球弧はフィリピン海プレートの沈み込みに伴って形成された島弧であり、九州から台湾に続く島嶼からなる。琉球弧の全体の長さは北東−南西方向に約1,200 kmに達し,主要な島嶼は火山島ではなく、前弧斜面に形成される高まりの列と言える。琉球弧の南東側には水深6,000〜7,800 mの琉球海溝(南西諸島海溝)が,琉球弧に沿うように続いている.一方、北西側には,水深1,000〜2,000 mの沖縄トラフ(舟状海盆)と呼ばれる活動的な背弧海盆が発達する。海溝軸におけるプレートの沈み込みと背弧側のリフティングが琉球弧の複雑なテクトニクスを支配していると言える。産総研では、2008年度から琉球弧周辺の海洋地質調査を開始しており、GIガンを音源としたマルチチャンネル(16 chや32 ch)の反射法音波探査を高密度に行っている。
南琉球弧北方沖(宮古島、石垣島)の斜面は沖縄トラフの軸に平行な幾筋かの正断層が発達し、地形は単純に北に向かって傾いて、深さ2000m以深に達する。一方、中琉球弧にあたる沖縄本島北西部は背後側に活動的な正断層を伴い、小さな海盆状の地形を作っている。これらの断層の走向は、ENE-WSWで北落ちの断層の発達に伴うハーフグラーベンを形成している。本発表では、反射断面からこれらの構造の違いを示すとともに、南琉球弧及び中琉球弧の背弧海盆の形状のテクトニクスに関する議論をする。