日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS12] 地殻構造

2019年5月30日(木) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:中東 和夫(東京海洋大学)

[SSS12-P01] 2017年9月3日に北朝鮮で発生した爆発的事象による長周期表面波位相速度の地域的な違い

*山田 浩二1 (1.株式会社 阪神コンサルタンツ)

キーワード:北朝鮮の爆発的事象、長周期表面波、モホ面、表面波多チャンネル解析

2017年9月3日の12時30分過ぎに朝鮮民主主義人民共和国を震源とする爆発的な事象が各地で観測された。気象庁による震源の位置は北緯41.3度、東経129.1度、深さ0キロメートルとされており、ほぼ地表付近を震源とする。地表面で発生した爆発的事象であるため、P波以外にレーリー波が観測されており、観測された波形は巨大な表面波探査の観測記録と見ることもできる。

 昨年度の地震学会において、観測されたレーリー波は0.03~0.1Hz付近で強い分散性を示しており、大爆破観測のデータを用いてP波速度構造が推定されている近畿地方を対象に、ライン状の観測点を通過する波の位相速度を解析する表面波多チャンネル解析(Multichannel Analysis of Surface Wave)を行ったところ、得られた位相速度は廣瀬・伊藤(2006)を参考に設定した1次元速度構造に概ね対応するとともに、観測されている位相速度はモホ面に至るまでの速度構造を反映したものであると考えられることを示した。

 国内各地域について震源からの方位をもとに適当な角度でMASWを行ったところ、得られた位相速度に地域性が見られていたので、それについて報告する。


謝辞

本報告では、防災科学技術研究所広帯域観測網(F-net)・高感度地震観測網(Hi-net)、各国立大学、気象庁の観測データを用いました。記して感謝します。