[SSS13-P03] 平成30年北海道胆振東部地震で大震度を観測したK-NET追分およびKiK-net追分における微動アレイ探査
キーワード:微動アレイ測定、H/Vスペクトル、分散曲線、北海道胆振東部地震、速度構造
1.はじめに
2018年9月6日3時7分に,北海道胆振地方東部でMj6.7の地震が発生した。この地震は,震源の深さが37kmと深いのに対し,震度6強や震度7の大振幅の地震動が観測されたという特徴がある。この要因の1つとして,地盤による地震動の増幅が考えられた。そこで筆者らは,表層地盤の増幅特性を推定する目的で,震度6強もしくは震度7を観測した地震観測点のうち6地点において,微動アレイ探査を実施した。
なお,本発表では,これらの探査地点のうち,ほぼ同位置であるのにもかかわらず計測震度に差が見られたK-NET追分(HKD127)およびKiK-net追分(IBUH01)に着目し,地盤構造を推定した結果を示す。
2.微動アレイ探査
微動アレイ探査のセンサー配置は正三角形の頂点と中心の4点とした。各点で上下動の測定を行い,アレイ中心では水平2成分を加えて3成分測定を行った。アレイ半径は,最小1mから最大200mまでとし,アレイ半径を変えて複数の探査を実施した。その際,半径10m以下のアレイ探査については地震観測点近傍にてそれぞれ実施したが,半径25m以上のアレイ探査については,K-NET追分とKiK-net追分の距離が約100mと近いことから,地震観測点周辺で実施した結果を両観測点に適用した。
3.解析
得られた微動データの波形が定常と考えられる区間を解析区間として選定し,微動アレイデータからは空間自己相関法(SPAC法)による分散曲線を,3成分の微動データからはH/Vスペクトルを算定した。これらの分散曲線およびH/Vスペクトルに適合する地盤構造を,遺伝的アルゴリズムによる逆解析で推定した。その際,H/Vスペクトルに対してはレイリー波およびラブ波の高次モードの影響を考慮し,また分散曲線についてはレイリー波の基本モードを仮定して推定した。
謝辞
小堀鐸二研究所の加藤研一氏には,微動アレイ探査の計画から解析に至るまで,多くのご助言とご配慮をいただきました。また,微動アレイ探査に際しては,株式会社小堀鐸二研究所の鈴木文乃氏,古家萌子氏,株式会社鹿島建設の星野和也氏,株式会社東京ソイルリサーチの斉藤実岬氏,川口智美氏にご協力いただきました。記して感謝いたします。
2018年9月6日3時7分に,北海道胆振地方東部でMj6.7の地震が発生した。この地震は,震源の深さが37kmと深いのに対し,震度6強や震度7の大振幅の地震動が観測されたという特徴がある。この要因の1つとして,地盤による地震動の増幅が考えられた。そこで筆者らは,表層地盤の増幅特性を推定する目的で,震度6強もしくは震度7を観測した地震観測点のうち6地点において,微動アレイ探査を実施した。
なお,本発表では,これらの探査地点のうち,ほぼ同位置であるのにもかかわらず計測震度に差が見られたK-NET追分(HKD127)およびKiK-net追分(IBUH01)に着目し,地盤構造を推定した結果を示す。
2.微動アレイ探査
微動アレイ探査のセンサー配置は正三角形の頂点と中心の4点とした。各点で上下動の測定を行い,アレイ中心では水平2成分を加えて3成分測定を行った。アレイ半径は,最小1mから最大200mまでとし,アレイ半径を変えて複数の探査を実施した。その際,半径10m以下のアレイ探査については地震観測点近傍にてそれぞれ実施したが,半径25m以上のアレイ探査については,K-NET追分とKiK-net追分の距離が約100mと近いことから,地震観測点周辺で実施した結果を両観測点に適用した。
3.解析
得られた微動データの波形が定常と考えられる区間を解析区間として選定し,微動アレイデータからは空間自己相関法(SPAC法)による分散曲線を,3成分の微動データからはH/Vスペクトルを算定した。これらの分散曲線およびH/Vスペクトルに適合する地盤構造を,遺伝的アルゴリズムによる逆解析で推定した。その際,H/Vスペクトルに対してはレイリー波およびラブ波の高次モードの影響を考慮し,また分散曲線についてはレイリー波の基本モードを仮定して推定した。
謝辞
小堀鐸二研究所の加藤研一氏には,微動アレイ探査の計画から解析に至るまで,多くのご助言とご配慮をいただきました。また,微動アレイ探査に際しては,株式会社小堀鐸二研究所の鈴木文乃氏,古家萌子氏,株式会社鹿島建設の星野和也氏,株式会社東京ソイルリサーチの斉藤実岬氏,川口智美氏にご協力いただきました。記して感謝いたします。