[STT45-P07] InSAR時系列解析による御前崎、潮岬、室戸岬、足摺岬周辺の定常的な地殻変動2
キーワード：ALOS-2/PALSAR-2、干渉SAR時系列解析、地殻変動、南海トラフ
気象研究所では、プレート境界におけるスロースリップ、プレスリップなど固着状態の変化を検出するための手法の高度化の手段として、衛星SARデータを用いた面的な地殻変動検出に取り組んでいる。特に、近い将来の発生が懸念されている南海トラフの大規模地震に着目し、プレートの沈み込み域に近く固着状態の変化を受けやすい東海から四国にかけての岬付近を対象として解析を行った。
筆者らはALOS/PALSAR（運用期間：2006年から2011年）データを使った時系列解析により、岬付近の定常的な変動速度を計算し、同期間のGNSSデータと概ね相関が得られることを確認した（安藤ほか, 2018）。本報告では、その後ALOS−2/PALSAR−2（運用期間：2014年〜）のアーカイブデータが蓄積されてきたことから、これらのデータについて時系列解析を行い、岬付近の定常的な地殻変動の検出を試みた。なお、今回の解析には、予めRINC（Ozawa et al., 2016）用いて各ペアの干渉画像を作成し、その後にGIAnT (Agram et al., 2011)を用いたSBAS法による時系列解析を行った。
解析に使用した各地域のデータは以下のとおりで、アーカイブの存在する全データ使用を原則としたが、得られた解析結果をチェックした上で明らかにエラーと考えるデータについては除外し、再計算を行った。
御前崎：パス19(18シーン) およびパス126(11シーン)、
潮岬 ：パス20(16シーン) およびパス128(11シーン)、
室戸岬：パス21(14シーン) およびパス128(10シーン)、
足摺岬：パス22(14シーン) およびパス129(10シーン)。
御前崎における累積変位の結果を図１に示す。
これによれば、岬周辺で衛星視線方向伸長、内陸で短縮の変位を検出した。これらの変位分布の傾向はALOS/PALSARのパターンと似た結果が得られた。発表では、解析エリア内のGNSS観測結果との比較についても報告する予定である。
本解析で用いたPALSAR-2データは，ALOS-2/RA-6を通じて提供されたものを使用した。PALSAR−2に関する原初データの所有権はJAXAにある．なお，干渉画像の処理過程においては，国土地理院発行の10mメッシュ（標高）を元にしたDEHMを使用し，地図の描画にはGMTを用いた．関係者各位におかれては，ここに記してお礼申し上げる．
筆者らはALOS/PALSAR（運用期間：2006年から2011年）データを使った時系列解析により、岬付近の定常的な変動速度を計算し、同期間のGNSSデータと概ね相関が得られることを確認した（安藤ほか, 2018）。本報告では、その後ALOS−2/PALSAR−2（運用期間：2014年〜）のアーカイブデータが蓄積されてきたことから、これらのデータについて時系列解析を行い、岬付近の定常的な地殻変動の検出を試みた。なお、今回の解析には、予めRINC（Ozawa et al., 2016）用いて各ペアの干渉画像を作成し、その後にGIAnT (Agram et al., 2011)を用いたSBAS法による時系列解析を行った。
解析に使用した各地域のデータは以下のとおりで、アーカイブの存在する全データ使用を原則としたが、得られた解析結果をチェックした上で明らかにエラーと考えるデータについては除外し、再計算を行った。
御前崎：パス19(18シーン) およびパス126(11シーン)、
潮岬 ：パス20(16シーン) およびパス128(11シーン)、
室戸岬：パス21(14シーン) およびパス128(10シーン)、
足摺岬：パス22(14シーン) およびパス129(10シーン)。
御前崎における累積変位の結果を図１に示す。
これによれば、岬周辺で衛星視線方向伸長、内陸で短縮の変位を検出した。これらの変位分布の傾向はALOS/PALSARのパターンと似た結果が得られた。発表では、解析エリア内のGNSS観測結果との比較についても報告する予定である。
本解析で用いたPALSAR-2データは，ALOS-2/RA-6を通じて提供されたものを使用した。PALSAR−2に関する原初データの所有権はJAXAにある．なお，干渉画像の処理過程においては，国土地理院発行の10mメッシュ（標高）を元にしたDEHMを使用し，地図の描画にはGMTを用いた．関係者各位におかれては，ここに記してお礼申し上げる．