日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC35] 火山防災の基礎と応用

2019年5月27日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:宝田 晋治(産業技術総合研究所活断層・火山研究部門)、吉本 充宏(山梨県富士山科学研究所)、石峯 康浩(鹿児島大学地震火山地域防災センター)、久保 智弘(防災科学技術研究所)

[SVC35-P02] デジタル版火山ハザードマップデータベースの構築とその利活用について

*河野 裕希1久保 智弘1宮城 洋介1棚田 俊收1 (1.国立研究開発法人 防災科学技術研究所)

キーワード:デジタル化ハザードマップ、WebGIS

防災科学技術研究所(以後、防災科研)では、1983年から2013年までに公表された40活火山のハザードマップ・防災マップを網羅的に収録し、「日本の火山ハザードマップ集 第2版」として報告した。その後、2014年の御嶽山噴火に伴い、2015年の活火山法改正により全国の活火山の麓に位置する自治体では火山ハザードマップの作成が義務づけられた*。防災科研では火山災害対策に資する研究を推進させるために、常時観測火山50火山における各火山防災協議会によって作成されたハザードマップのデジタル化およびWebGISで活用するためのデータ整備を進めている。本発表ではその整備状況とデータ利活用の事例について報告する。
各火山のハザード情報はシェープファイル形式で構築しており(久保他(2018)にて報告済み)様々なGISで活用できるように整備を進めている。さらに、オンライン環境で利用できるようにするため、それらシェープファイルをタイル情報に変換し、WebGIS上で整備している。WebGISにはいつでも誰でもどこからでもアクセスすることができるので、本マップは発災時のオンラインハザードマップとして活用できるだけでなく、平時の周知啓発ツールとして活用することで火山災害への関心につながるきっかけになることも期待される。また、ハザード情報の利活用については、久保他(2003)**を火山ハザード情報に適用し、ある火山地域をメッシュで分割し、特定の火山や複数の火山による様々なハザードをメッシュ単位で情報を整理・提供することも検討している。そのメッシュ単位での情報によりユーザーはどのようなハザードに晒されているかを確認することができ、また複数の火山による影響がある際はそういった情報も容易に知ることもできるため、発災前に様々な危険度を把握しておくことができる。
本発表では火山防災に関わる情報の効果的な表現方法やハザードマップデータベースの利活用について議論したいと考える。


*内閣府防災(2015)平成27年の活火山法改正について, http://www.bousai.go.jp/kazan/taisaku/k404_1.htm
** 久保智弘・久田喜章・柴山明寛・大井昌弘・石田瑞穂・藤原広行・中山圭子(2003)全国地形分類図による表層地盤特性のデータベース化,および,面的な早期地震動推定への適用