[SVC38-P06] 草津白根山の2018年の火山活動について
キーワード:草津白根山、水蒸気噴火、地震活動、地殻変動、地磁気全磁力変化
草津白根山は群馬県北西部にある活火山で,気象庁の常時観測火山のひとつである.南東側に低くなる第三紀火山岩からなる基盤山地上に,非対称に成長した安山岩・デイサイトの成層火山で,西端部の最高所付近に白根山・逢ノ峰・本白根山等の火砕丘群が南北に並んでいる.最新のマグマ噴火は約3000年前に発生しており,有史以降の噴火は1902年の弓池付近までを含む白根山山頂周辺,および本白根山付近で起き,近年の噴火活動はすべて水蒸気爆発である.
草津白根山では,2018年に入って,1月には本白根山が噴火し,4月以降は、湯釜付近の地震活動が活発化するなど,活動の高まりがみられている.本発表では,2018年の草津白根山の火山活動について紹介する.
草津白根山の本白根山では,2018年1月23日10時02分に,水蒸気噴火が発生した.噴火開始前の09時59分から火山性微動が発生し,東京工業大学が湯釜付近に設置している傾斜計でも南方が上昇する傾向の傾斜変動が観測された.10時02分頃,低周波地震発生とともに,傾斜変動は,湯釜からみて南方向が下がるセンスに転じた.
噴火発生後,鏡池北火口付近ごく浅部を震源とするごく微小な火山性地震(BH型地震)が多発したが,徐々に減少していった.
そういった中,2018年4月下旬に,湯釜付近浅部を震源とする地震が急増し,その後,湯釜付近に設置している傾斜計で湯釜付近浅部の膨張を示す地殻変動が観測されはじめた.また,地磁気観測では,熱消磁を示す全磁力変化が4月頃より観測された.
9月上旬には,地震活動はやや低下し、傾斜変動も鈍化する傾向がみられたものの,9月28日に,再び,湯釜付近浅部を震源とする地震が急増し,傾斜計でも,4月と同様の地殻変動が再び観測されだした.その後,地震活動は低下したもの,2019年1月においても継続している.
草津白根山周辺の広域のGEONET日座標値(F3解)に、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の余効変動、季節変動、各観測点の共通変動除去などを行い、気象庁のGNSS観測点の解析結果と結合した結果,2014年から2015年にかけて地震活動が高まった時期に,草津白根山の北西の深部膨張を示唆する解析結果が得られ,類似した変化が2018年に入ってから,幾つかの観測点で確認できる.
謝辞:気象庁地磁気観測所には,全磁力連続観測による全磁力値の解析データを提供頂きました.ここに御礼申し上げます.
草津白根山では,2018年に入って,1月には本白根山が噴火し,4月以降は、湯釜付近の地震活動が活発化するなど,活動の高まりがみられている.本発表では,2018年の草津白根山の火山活動について紹介する.
草津白根山の本白根山では,2018年1月23日10時02分に,水蒸気噴火が発生した.噴火開始前の09時59分から火山性微動が発生し,東京工業大学が湯釜付近に設置している傾斜計でも南方が上昇する傾向の傾斜変動が観測された.10時02分頃,低周波地震発生とともに,傾斜変動は,湯釜からみて南方向が下がるセンスに転じた.
噴火発生後,鏡池北火口付近ごく浅部を震源とするごく微小な火山性地震(BH型地震)が多発したが,徐々に減少していった.
そういった中,2018年4月下旬に,湯釜付近浅部を震源とする地震が急増し,その後,湯釜付近に設置している傾斜計で湯釜付近浅部の膨張を示す地殻変動が観測されはじめた.また,地磁気観測では,熱消磁を示す全磁力変化が4月頃より観測された.
9月上旬には,地震活動はやや低下し、傾斜変動も鈍化する傾向がみられたものの,9月28日に,再び,湯釜付近浅部を震源とする地震が急増し,傾斜計でも,4月と同様の地殻変動が再び観測されだした.その後,地震活動は低下したもの,2019年1月においても継続している.
草津白根山周辺の広域のGEONET日座標値(F3解)に、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の余効変動、季節変動、各観測点の共通変動除去などを行い、気象庁のGNSS観測点の解析結果と結合した結果,2014年から2015年にかけて地震活動が高まった時期に,草津白根山の北西の深部膨張を示唆する解析結果が得られ,類似した変化が2018年に入ってから,幾つかの観測点で確認できる.
謝辞:気象庁地磁気観測所には,全磁力連続観測による全磁力値の解析データを提供頂きました.ここに御礼申し上げます.