日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC38] 活動的火山

2019年5月27日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:前田 裕太(名古屋大学)、三輪 学央(防災科学技術研究所)、西村 太志(東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻)

[SVC38-P46] インドネシア・クラカタウ火山の2018年12月噴火に伴う地形変化と地殻変動

*矢来 博司1小林 知勝1山田 晋也1 (1.国土地理院)

キーワード:クラカタウ火山、山体崩壊、地殻変動、SAR

クラカタウ火山は、インドネシアのジャワ島とスマトラ島の間のスンダ海峡に位置する火山である。このスンダ海峡において2018年12月22日に高い津波が発生し、大きな被害が生じた。この津波がクラカタウ火山の噴火に伴う山体崩壊によって発生したと考えられたことから、クラカタウ火山の地形変化を把握するため、日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)に搭載された合成開口レーダー(PALSAR-2)のデータを使用し、噴火前と後の反射強度画像の分析を行った。その結果、噴火後の12月24日の反射強度画像において島の南西部に明瞭な地形変化が認められた。この24日までに島の南西部が崩壊したと考えられる。

また、この噴火前後での地殻変動を把握することを目的として、だいち2号のデータを用いてSAR干渉解析を実施した。その結果、アナク・クラカタウ島では干渉が得られなかったが、周辺に位置する島では衛星から遠ざかる向きの変動が捉えられた。変動の特徴はアナク・クラカタウ島付近を中心とした沈降・収縮を示唆するが、等方的ではなくやや南北に伸びており、単純な点力源ではない可能性がある。


(謝辞)SAR解析で用いたデータは、国土地理院と宇宙航空研究開発機構(JAXA)間の協定に基づき提供されたものです。また、使用したデータの一部は、火山噴火予知連絡会衛星解析グループの活動を通して得られたものです。