日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-02] 地球惑星科学のアウトリーチ

2019年5月26日(日) 10:45 〜 12:15 103 (1F)

コンビーナ:植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、小森 次郎(帝京平成大学)、長谷川 直子(お茶の水女子大学)、大木 聖子(慶應義塾大学 環境情報学部)、座長:長谷川 直子

10:45 〜 11:00

[G02-07] 生徒主導の地震震動モデルの実験構築と構造物クラック調査からの防災意識づくりへ

*中村 亮1 (1.宮城県利府高等学校)

キーワード:地震動実験、堆積物、クラック調査

著者の勤務する宮城県利府高等学校は長町-利府断層の直上にあると推定できる地形の立地である。宮城県沖地震や,記憶に新しい東北地方太平洋沖地震に比較すれば大きな規模の地震ではないであろうが,もし直下で発生すれば仙台市を含めて甚大な被害が起こることが予想されてきた。その周辺の話題で防災教育にも関連する以下の内容を講演する予定である。
 (1)過去の痕跡の調査
  生徒に学校建築時のボーリンゴコア試料から地下の構造を柱状図で示させた。すると火山灰層が複数挟まれる形での堆積物が多く見られた。地域的には地震以外にも火山性降下物も見られその性質を探った。
 (2)複数見られる異質性の火山性堆積物が含有されていると、いざ直下で地震が発生したときにどのような揺れや破壊が起こるのか,身近にあるもので生徒が制作した振動発生モデルの構築を紹介する。単層よりも複数層の火山灰層があると沈下もあるが,その上の構造物の不均質な沈下を逆に防ぐ様子が観察できた。
 (3)構造物内のクラックを生徒が調査することにより,大きな地震でなくても日常での岩盤にかかっている応力などからどのような危険があるのか調査させた活動を紹介する。このとき学校建築時の地質図がどのように活用できるか,話題を提供する。