日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-03] 小・中・高等学校,大学の地球惑星科学教育

2019年5月26日(日) 09:00 〜 10:30 104 (1F)

コンビーナ:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、座長:丹羽 淑博

10:00 〜 10:20

[G03-05] デジタル立体地球儀を通じた学校、科学館、研究者の連携による地球惑星科学教育

*齊藤 昭則1津川 卓也2 (1.京都大学大学院理学研究科地球物理学教室、2.情報通信研究機構)

キーワード:デジタル立体地球儀、ダジック・アース、立体表示

学校、科学館、研究者の連携によってデジタル立体地球儀「ダジック・アース」を用いた地球惑星科学の教育活動が実施されているが、その活動の現状と、学校での利用における課題について報告する。「ダジック・アース」は京都大学、情報通信研究機構などの地球惑星科学の研究者によって開発されており、コンテンツの作成には多くの地球惑星科学の研究者が関与している。そのシステムは、科学館において常設展示や企画展示によって利用されており、またいくつかの科学館では地域の教員向けに授業でのデジタル立体地球儀の活用についての研修を実施するなど、学校、科学館、研究者の連携によって利用が広まりつつある。日本科学未来館「ジオコスモス」や米国NOAA「Science on a sphere」など、他のデジタル立体地球儀システムに比べて、簡単な仕組みで実施できることが特徴であり、学校の授業で教員によって利用されることを目指している。そのために小・中・高等学校におけるカリキュラムに対応した使い方の提案や機材の貸し出しなど、教員が利用しやすくなるように整備を進めているが、学校での利用における課題も明らかになってきている。特に小学校の理科では、「地球が丸い」ことを明示的に扱わないが、月の満ち欠けの説明では「月が丸い」ことを前提知識として求めるなど、地球惑星衛星全体を見ることができるデジタル立体地球儀をカリキュラムに沿って利用する上で混乱を招く点も見られた。発表では、デジタル立体地球儀の学校授業での利用の現状と課題点および今後の展開を報告する。