[HDS14-P04] 平成30年7月豪雨による愛媛県宇和島市周辺の岩盤崩壊の地質学的特徴
キーワード:豪雨、地すべり、深層崩壊、地質規制、四万十帯
西日本全域に被害をもたらした「平成30年7月豪雨」は宇和島市および西予市の法華津湾周辺において岩盤崩壊を多発させた.本報告では岩盤崩壊の特徴を報告する.岩盤崩壊は低起伏の地形上で発生し比較的小規模であった.滑落崖はいずれも風化が認められ,斜面を切断する分離面と高密度の亀裂があった.さらに脆弱な鉱物脈と断層による破砕も認められた.これらの特徴のために岩盤崩壊が発生した斜面では微視的にも巨視的にも強度が低下していた.さらに,低強度の岩盤では重力変形が進行し,大量の降水の流入経路が崩壊前に斜面に形成されていたと考えられる.崩壊が多発した宇和島市法華津湾周辺は四国の四万十帯内では特徴的に低起伏な地域である.このような低起伏地域は四国を東西に横断する仏像構造線に沿って帯状に分布する.