日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GM 地形学

[H-GM04] 地形

2019年5月29日(水) 10:45 〜 12:15 101 (1F)

コンビーナ:八反地 剛(筑波大学生命環境系)、瀬戸 真之(福島大学うつくしま福島未来支援センター)、座長:瀬戸 真之島津 弘

11:00 〜 11:15

[HGM04-07] モンゴルオルゴイ湖掘削試料のOSL年代測定

*五十嵐 雄大1長谷部 徳子1勝田 長貴2長谷川 精3Davaasuren Davaadorj4田中 幸哉5Udaanjargal Uyangaa1福士 圭介1Niiden Ichinnorov6 (1.金沢大学、2.岐阜大学、3.高知大学、4.モンゴル国立大学、5.キョンヒ大学、6.モンゴル科学アカデミー)

キーワード:モンゴル、湖沼堆積物、OSL年代測定

モンゴル南部の山脈に挟まれた盆地には多数の湖が存在しており、”Valley of the Lakes”と呼ばれる。これらの湖は、第四紀の間で水位変動を繰り返している。この湖水位変動は気候変動を読み解く重要な情報である。南部の大きな盆地であるValley of the Gobi lakes の大きな流入源となるのはハンガイ山脈からの流入である。本研究の調査湖であるオルゴイ湖は、Valley of the Gobi lakesの他の湖よりハンガイ山脈山頂に近いため、流入 を敏感に反映している可能性が高いが年代報告例が非常に少ない。本研究では、オルゴイ湖の掘削試料の石英OSL年代測定を行った。この掘削試料は完新世をカバーする0.7~10kaの年代値を示した。さらに、オルゴイ湖掘削試料の最たる特徴として見られる砂礫の層の堆積が完新世の急激な気温変動イベントに関連していた可能性が示唆された。また、この掘削試料の深度7.5-9.0mで大きな年代のギャップがあった。これは過去の堆積環境、さらには気候を反映している可能性が高いが、本研究の年代値からは議論に至らなかった。このオルゴイ湖の複雑な堆積環境の変遷を読み解くには、高分解能な堆積物特性との比較が必要である。