[HRE17-P05] 衛星観測された散乱日射強度に基づく地上日射量の効率的な推定法
キーワード:衛星観測、散乱日射、地上日射量
近年、太陽光発電の普及が進んでおり、電力系統に及ぼす影響を把握するため、発電出力を正確に知る必要がある。地域で積分された発電出力を見積もるには、気象衛星から観測された散乱日射強度に基づいて、地上日射量を推定する方法が有効である。
本研究で開発した地上日射量の推定スキームでは、初めに、観測された地表面-大気系の双方向反射率に対応する、層状雲の光学的厚さを見積もる。雲がある地球の双方向反射率を計算するため、東京大学が開発した放射伝達モデル(Rstar6b)を、16ストリームの分解能で用いた。この計算結果を、雲の光学的厚さ、氷雲の光学的厚さの比率、衛星天頂角の余弦、太陽天頂角の余弦、衛星と入射太陽放射の方位角の差、および地表面アルベドに関する6次元配列に予め保存しておき、雲の光学的厚さを効率的に推定できるようにした。雲の光学的厚さが得られたら、デルタ2ストリーム近似の太陽放射伝達モデルを用いて、地上日射量の直達・散乱成分を計算する。
この推定スキームを実際の衛星観測データに適用した場合を想定し、地表面アルベドなどに不確実性がある場合の地上日射量の推定誤差を見積もった。その結果、地表面アルベドを±0.05以内の誤差で与えれば、地上日射量の誤差が概ね±80 W m-2以内に収まることが分かった。
本研究で開発した地上日射量の推定スキームでは、初めに、観測された地表面-大気系の双方向反射率に対応する、層状雲の光学的厚さを見積もる。雲がある地球の双方向反射率を計算するため、東京大学が開発した放射伝達モデル(Rstar6b)を、16ストリームの分解能で用いた。この計算結果を、雲の光学的厚さ、氷雲の光学的厚さの比率、衛星天頂角の余弦、太陽天頂角の余弦、衛星と入射太陽放射の方位角の差、および地表面アルベドに関する6次元配列に予め保存しておき、雲の光学的厚さを効率的に推定できるようにした。雲の光学的厚さが得られたら、デルタ2ストリーム近似の太陽放射伝達モデルを用いて、地上日射量の直達・散乱成分を計算する。
この推定スキームを実際の衛星観測データに適用した場合を想定し、地表面アルベドなどに不確実性がある場合の地上日射量の推定誤差を見積もった。その結果、地表面アルベドを±0.05以内の誤差で与えれば、地上日射量の誤差が概ね±80 W m-2以内に収まることが分かった。