日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-SC 社会地球科学・社会都市システム

[H-SC07] 地球温暖化防止と地学(CO2地中貯留・有効利用、地球工学)

2019年5月29日(水) 10:45 〜 12:15 301B (3F)

コンビーナ:徂徠 正夫(国立研究開発法人産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門)、薛 自求(公益財団法人 地球環境産業技術研究機構)、愛知 正温(東京大学大学院新領域創成科学研究科)、座長:薛 自求(公益財団法人地球環境産業技術研究機構)

11:45 〜 12:00

[HSC07-11] マイクロバブルCO2圧入フィールドパイロット試験 -計画と準備-

*中川 和則1上田 良1中野 正則1薛 自求2 (1.石油資源開発株式会社、2.公益財団法人地球環境産業技術研究機構)

キーワード:二酸化炭素地中貯留、マイクロバブル、フィールドテスト

本研究では、CO2をマイクロバブル化して圧入する技術のCCS、CCUSでの実用化へ向け、コア掃攻実験および実験を模擬したフローシミュレーションを通じてマイクロバブル圧入効果の検証やそのメカニズム検討、マイクロバブル圧入のためのツール開発を進めてきた。現在は、フィールドでのマイクロバブル圧入技術の検証のためのパイロット試験を2019年度に実施できる段階まで到達している。

本発表ではフィールドパイロット試験の概要および試験に向けた準備について紹介する。

a) 試験概要

フィールド試験では国内油田の一部を使用する。対象油田の油層は砂と泥が互いに層を成しており、不均質性が大きいことからマイクロバブルの特性に優位に働くことが期待される。手法はHuff’n Puff法を適用し、CO2圧入時と圧入後の再生産(フローバック)の圧力や流量等を測定する。1回の試験でのCO2圧入量は100t程度を想定し、同一坑井でマイクロバブルでのCO2圧入と通常のCO2圧入の2つの試験を行うことにより、マイクロバブル圧入の効果や通常法との挙動の違いを確認する。また、対象フィールドのシミュレーションモデルを構築し、シミュレーションから事前に試験時のマイクロバブル圧入挙動を評価するとともに、試験後の結果検証にも活用する。

b) 試験準備

フィールド試験のためのマイクロバブル圧入ツールスは、開発したツールスを繋ぎ合わせ油層区間全体にマイクロバブルを発生する編成とし、ツールスの製作を行った。更にCO2圧入に必要な液化CO2タンクや圧入ポンプ、加温設備などの現場設置工事を実施した。



謝辞:本研究の成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の結果得られたものです。また、本研究の基礎となるマイクロバブル技術は東京ガス株式会社とRITEとの共同研究成果です。深く謝意を表します。