日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT23] 地理情報システムと地図・空間表現

2019年5月30日(木) 10:45 〜 12:15 301B (3F)

コンビーナ:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、田中 一成(大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)、中村 和彦(東京大学)、座長:小荒井 衛(茨城大学)、田中 一成(大阪工業大学)

11:15 〜 11:30

[HTT23-03] 東京都全域における路地空間の立地特性に関する研究

*谷口 亮1石川 剛1岡 檀2 (1.株式会社東京地図研究社、2.情報・システム研究機構 統計数理研究所)

キーワード:地理空間データ、路地、GIS

都市における路地空間は自動車を中心とした道路交通計画や大規模開発によりその数が急速に減少しているが、近年、路地のコモンスペースとしての側面が見直されつつあり、全国各地で路地を中核にしたまちづくりも進められるようになった。路地は都市空間を特徴づける重要な要素と考えられるが、空間情報としてその存在を把握するのは困難が伴う。そこで我々は従前より、GISを用いて路地の存在が推測される街区を抽出する「路地推計ロジック」を考案し、東京都や徳島県における現地調査を通して、ロジックの精度確認を行ってきた。

本研究では、東京都のほぼ全域を対象として路地推計ロジックを実施し路地分布を推計した。解析には、国土地理院製の基盤地図情報(縮尺レベル2500)とEsri社製のArcGIS Pro 2.2を用いた。さらに、推計結果から「路地存在率」を算出し、木造建物棟数や用途地域等との地域指標との比較を通して、路地の立地特性に関する考察も行った。また、三重県全域でも市町村単位の路地存在率について推計し、都道府県の違いによる地域差が見られるのかの検証を行う予定である。