[MAG41-P07] 福島第一原発事故から8年間の森林環境における放射性セシウムの移行状況
キーワード:福島第一原子力発電所事故、森林、放射性セシウム
本研究では、原発事故からの8年間における、森林環境で採取した試料のセシウム137濃度の時間変化傾向を調査した。福島県川俣町山木屋地区の森林で採取した全ての環境サンプルからセシウム137が検出されたが、その濃度は時間とともに指数関数的に減少する傾向を示した。セシウム137濃度の減少傾向は、スギやコナラの葉や外樹皮で異なっており、樹体表面での自己浄化や樹体内での転流プロセスが樹種や樹体部位ごとに異なることが示唆された。また、福島県双葉郡浪江町の高沈着量地域のスギ林を対象林分に選定し、林内雨(樹冠通過雨および樹幹流)に含まれる溶存態(0.45μmフィルター通過水)および懸濁態セシウム137濃度を調査し、樹冠から林内雨への放射性セシウムの取り込みのメカニズムを明らかにするとともに、時間経過にともなう変化傾向について考察を行った。