日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI30] Data assimilation: A fundamental approach in geosciences

2019年5月29日(水) 13:45 〜 15:15 104 (1F)

コンビーナ:中野 慎也(情報・システム研究機構 統計数理研究所)、藤井 陽介(気象庁気象研究所)、宮崎 真一(京都大学理学研究科)、三好 建正(理化学研究所)、座長:三好 建正(理化学研究所計算科学研究機構)、中野 慎也(情報・システム研究機構 統計数理研究所)

14:30 〜 14:45

[MGI30-04] アジョイント法による定常トレーサー分布から海洋鉛直拡散係数分布を推定する試み

★招待講演

*岡 顕1 (1.東京大学大気海洋研究所)

キーワード:海洋鉛直拡散係数、アジョイント法、海洋トレーサーモデル

海洋中の鉛直拡散係数の値は、温度・塩分などのトレーサー分布や、海洋深層循環の強さをコントロールする重要な要素である。近年の研究から、その分布は空間的な非一様性が高いことが明らかになってきているが、分布の詳細や定量的な値についてはよく分かっていない。一方、温度・塩分をはじめとするトレーサー分布についての観測データは近年飛躍的に増加しており、全球をカバーした良質なデータセットが利用可能である。先行研究では、観測データから得られるトレーサー分布の情報から海洋の流速場を逆推定する試みもなされてきている(Wunsch,1996など)。流速場と合わせて、鉛直拡散係数分布についても逆推定した試みもあるが(Ganachaud and Wunsch, 2000)、その3次元分布について詳細に議論した研究は少ないと思われる。本発表では、温度、塩分、炭素同位体分布(Δ14C)の3つのトレーサー分布を用いて、鉛直拡散係数の3次元分布をどの程度逆推定することができるか、その可能性について議論するとともに現段階での試みを紹介する。